最初の掴みがズルいです。
小学生の三男と猫の関係が、くだらなくて最高に可愛くて、いきなり空気が掴まれます。笑わせに来てるのに、猫がちゃんと“家族の一員”としてそこにいるのがいい。
そこから語り手の過去に入ると、口調は軽いままなのに、内容はだんだん苦くなっていく。
「エリートのはずだった」「順風満帆のつもりだった」みたいな言い回しが続くのが、ただの自虐じゃなくて、後悔と照れ隠しの混ざったリアルな声に聞こえました。
明るい日常と、目をそらせないしんどさが同じ語り口でつながっているので、重くなりすぎずに読めるのに、ちゃんと刺さります。
この先、三男や猫や家族が、この語り手にどんな時間を渡していくのか――そこが気になって続きを読みたくなりました。
ちょっとだけ読むつもりが、気付けば7話まで一気に読了していました。
最初は軽い気持ちで“どんな話かな?”と覗いたのに、気づくと止まらないタイプの作品です。
主人公の語り口がとにかく魅力的。
軽妙でテンポが良いのに、背景には社会人として誰もが共感できる痛みや疲労が潜んでいて、そのギャップが読者を一気に引き込んでいきます。
コミカルなのに重くなりすぎず、重たいのに笑える瞬間もある――この絶妙なバランスがクセになります。
そして話が進むにつれて、「えっ、そこでそう来る!?」と驚く展開が挟まってきて、ページを閉じるタイミングを逃すんですよね。
ただ、核心部分は読んでのお楽しみ。
ネタバレは避けますが、“ああ、これは続きが読みたくなるやつだ” とだけ言っておきます。
現代ドラマ+不思議要素+優しい気配。
この先どんな出会いがあり、どんな関係が築かれていくのか――想像が膨らむ作品です。
引き込まれる語りとテンポの良い展開が好きな方は、ぜひ読んでみてください。