作劇方法への応援コメント
企画参加ありがとうございます。
とても真剣に創作を考えていることが伝わってくる文章でした。そのうえで、企画主として、今回は 作者への指摘 → 改稿課題 → 私自身の創作理論 の順でお伝えします。
まず作者への指摘です。
この文章は、創作に対する問題意識と熱意はかなり明確です。特に「本は言語を使う以上、書き手と読み手の意思疎通が必要」という主張には一本芯がありますし、そこから「理論」「手法」という言葉へ接続していく流れにも説得力がありました。なので、読み手としては「この人はどういう構造で作品を見ているのか」を知りたくなります。ここは強みです。
ただ、その強みがある一方で、文章全体はまだ「理論の体系」ではなく、「気になる技法の列挙」に近い印象でした。
たとえば「結末を最初に決める」「ミステリーとサスペンス」「対比」「暗喩」「現実を使う」「過去作からの着想」「参考資料の明示」は、それぞれ単体では分かります。ですが、それらがどう繋がり、何を先に考え、何を後で考えるのか という順番まではまだ見えにくいです。
読者からすると、「この人は色々考えている」のは伝わるのですが、「その考えがどう一つの作劇理論として統合されているか」はまだ掴みきれませんでした。
特に惜しいと感じたのは、具体例の出し方です。
『RED』を例に出すこと自体は悪くないですし、自作を例にした方が責任を持って語れるのも分かります。ただ、暗喩の章などでは、途中から「一般化できる作劇論」より「自作の読解補助」に寄っている印象が強くなりました。そこまで深く説明されると、「その暗喩があること」は分かっても、「それが本当に読者の面白さにどう寄与するのか」は別問題に見えてきます。
要するに、作者の意図の解説 と 読者体験に効く理論 が、まだ少し混線しています。
また、断定の強さも少し気になりました。
言い切る力は文章の推進力になりますが、今作ではところどころ「他の考え方を許さない圧」としても読めました。創作論は、断言すると強く見える反面、読者が「自分の経験とズレる」と感じた瞬間に説得力が落ちやすいです。ここは熱量があるからこそ、少しだけ余白を作るともっと強くなると思います。
改稿課題としては、まず一番大きいのは 「技法を並べる」のではなく「何を判断するための技法か」で再整理すること だと思います。
たとえば今の構成だと、「結末を決める」も「対比」も「暗喩」も横並びですが、実際には役割が違います。
「結末を決める」は物語全体の進行や回収に関わる上位判断です。
「対比」や「暗喩」は、その判断を読者へ伝えるための表現技法です。
この上下関係を分けるだけで、文章全体の見通しがかなり良くなるはずです。
次の課題は、自作『RED』の解説量を半分くらいまで絞り、その代わり一般化の文章を増やすこと です。
今は『RED』の説明に熱が入るほど、読者が「その作品だから成立する話では?」と感じやすくなっています。
例を短くして、代わりに「この技法はどういう読者体験を狙うものか」を一文で添えると、創作論としての汎用性が上がると思います。
三つ目の課題は、「面白さ」と「伝わりやすさ」を分けて書くこと です。
今回の文章では、この二つが近いものとして扱われている場面がありました。けれど実際には、伝わりやすいけれど面白くない作品も、面白いけれど一読では掴みにくい作品もあります。
ここを区別して書けると、理論が一段深くなるはずです。
四つ目の課題は、暗喩の扱いの再検討 です。
暗喩そのものを否定する必要はないのですが、「作者が読み解きを用意して説明しないと伝わらない暗喩」は、理論として推すには少し危ういと感じました。
「読者が気づかなくても体感として効く暗喩」と、「解説されて初めて分かる暗喩」は分けて考えた方が、より実践的な作劇論になると思います。
最後に、私自身の創作理論も共有します。
私は、創作を「技法の寄せ集め」ではなく、創作判断の連続 だと考えています。
何を書くかではなく、複数の選択肢の中から何を捨て、何を採用したか。その判断が作品を作る。
そして、技法はその判断を支える道具であって、本体ではありません。
だから私は、「対比を知っている」「暗喩を使える」より先に、どの場面で何を優先する判断をしたのか を重視しています。
今の私の考えでは、創作を体系化するには
「成果の定義」
「判断ログの収集」
「判断タイプの分類」
「反復できる訓練形式」
この四つが必要です。
つまり、上達とは作品を一本書き切ることだけではなく、作品の中で発生した判断を抽出し、再訓練可能な形にすることだと思っています。
その意味で、この作品はとても面白かったです。
完成された体系ではまだない。けれど、作者さんの中に「創作は感覚だけではなく、構造や理論として捉えられるはずだ」という強い意志があるのは、はっきり伝わりました。
そこはかなり共感しましたし、だからこそ、次は「考えていることの量」ではなく「理論同士の接続の明確さ」で勝負できると、もっと強い文章になると思います。
作者からの返信
牛☆大権現様
コメント、応援
ありがとう存じます。
書き手の数だけ
書き方はあるのだと思います。
私の書き方もその一片です。
自説がご参考になれば
幸いです。
コメント
とても嬉しかったです。
作劇方法への応援コメント
文芸部へのご参加、ありがとうございます。
物語そのものではなく、その設計図である「作劇方法」を投稿してくださるという、まさに文芸部の活動を根底から支えてくれるような「参謀」的アプローチに、主催者として身の引き締まる思いです。
■ 全体を読んでの感想
「本は言語を使用しているからこそ、意思疎通のための理論(サイエンス)が必要である」という冒頭の定義に、強く膝を打ちました。書き手の情熱(アート)を、読み手に正確に届けるための「橋」をどう架けるか。提示された7つの手法は、どれも創作の迷宮で立ち止まる書き手にとって、確かな灯火になるものだと感じます。
■ 執筆理論への深掘り感想
特に、今回のお題である「比喩」に関連する(4)直喩と暗喩の解説は、頷きながら読んでしまいました。
自作品『RED』での「四條=死」や「霧の川=三途の川」の活用例。単なる言葉遊びではなく、主人公が「人間であることを放棄した」のような変容を、文化的な背景(仏教観)を用いて暗喩として潜ませる。これこそが、本編で仰っていた「深遠なメッセージを背後に隠す手法」の極致ですね。
聞いてみると、確かに、有名な映画などでもそういった手法が使われていることがあったなと思い当たりますが、自分で実際にその活用方法を使ったことが無かったので、なるほどと思いました。
■ 最後に
「自分が持っている武器、全部はバラせない」という茶目っ気のある一言に、創作への飽くなき探究心を感じて、そういう考え方も面白いなと思いました。
私は自分が読みたいと思える作品が増えてくれる方が嬉しいので、これからもどんどん武器を投下していきます。
もし、またあなたからも少しでも新たな理論や武器を公開してもいいなと思えた時には、ぜひ部室に立ち寄っていただければ幸いです。
作者からの返信
@naimaze様
コメントありがとう存じます。
とても嬉しいです。
私の作劇方法が
お役に立てたのなら
幸いです。
今の所
公開できる内容は
これで全部だったりします。
他作品もお読みいただいて
ご感想いただけましたら
とても光栄です。
作劇方法への応援コメント
企画へのご参加、ありがとうございます。
小説を書いている人間からしたら、とてつもなくありがたい作品でした。
過去の名作のオマージュを作品に紛れ込ませる手法は、僕も活用しています。
「作品が古びないように工業製品や実在の人名を使用しない」という手法は、「だから昔の作品でも違和感なく読めるものがあるのか」と納得できるものでした。
逆に、時代感を出すためにわざと古いものの名前を出すという方法もありますね。
(「かがみの孤城」でやっていたものです。)
勉強になりました。
ありがとうございました。
作者からの返信
廻る猫様
コメントありがとう存じます。
とても嬉しいです。
「時代感を出すために
わざと古いものの名前を出すという方法」
次作以降で使用させて頂きます。
他作品もお読み頂けましたら
幸いです。
作劇方法への応援コメント
作劇方法、興味深く読みました。
小説を芸術ではなく、
書き手と読み手の意思疎通として定義している点が、
文章全体を通して一貫していると感じました。
結末を先に決めることや、
ミステリーとサスペンスの使い分け、
対比や暗喩を意図して配置する考え方など、
「そう書く理由」が言葉として明確に示されているのが印象的でした。
まずはこの作劇論を受け取った上で、
これから作品の方も、タイミングを見て読ませてもらおうと思います。
理論と実作がどう重なっているのかを見るのが、今から楽しみです。
作者からの返信
TERU様
コメントありがとう存じます。
もうお読み頂けましたか?
他作のご感想も
楽しみにお待ちしております。
作劇方法への応援コメント
カクヨム同士には、手の内を見せたくなりますね。
自分はこうです、あなたはどうですか?、と。
私は、結末未定のままで描き始めてしまうことが、結構あります。
そして迷走、、、。この点は反省の余地がありすぎます。
そもそもプロットは頭の中だけで、
メモ書きのつもりで書き始めたものでも、
いつの間にか肉付けして、カクヨムに公開してしまっています。
浮かんだアイディア、エピソードを、
まずはとにかく形にしたくなり、
形にしたからには公開したくなってしまうようです。
短編として完結させることができればまだ良いのですが、
続きを書きたくなる場合もあって、
結果として見切り発車をしてしまうのです。
結末が定まった上で書き始めた作品も、
途中で変更したくなることもよくあることで、
世の中の移り変わりが速すぎて、それに影響を受けてしまい、
新しい展開が次々に浮かんでしまって、
、、、とにかく収拾が付かなくなってしまうようです。
きっと、ここまで書いた作品は、
全て下書きの扱いなのかもしれません。
複数の作品を統合したり、さらに新エピソードを加えたりして、
ようやく真に公開に耐えうる作品を完成させる、
そうありたいと思います。
そんな私の手の内ですが。
良いのか、悪いのか。
いずれにしても、勉強になりました。
足跡もいただいておりました。
ありがとうございます。
作者からの返信
ムーゴット様
コメント、応援
ありがとう存じます。
書き手の数だけ
書き方はあるのだと思います。
私の書き方もその一片です。
自説がご参考になれば
幸いです。
コメント
とても嬉しかったです。
編集済
作劇方法への応援コメント
初めまして。この度は企画への参加ありがとうございます。
一つ目の「結論(結末)を最初に決める」という手法は私も実践した経験があり、強く共感できる部分です。そうしないと途中で迷走しがちであるという指摘も、なるほど確かにその通り。
その他に列挙されている手法からも学ぶ点が多々あり、とても勉強になりました。
そんな有意義な情報の中から、私の未熟な技量で無理に指摘まがいなコメントを捻り出しますと、冒頭で示された「読み手との意志疎通」という命題と実際に書かれている内容がやや解離している印象がほんの少しだけ感じられる点になるでしょうか。
私個人としては、読み手とのコミュニケーションに直結すると言えば、例えば場面ごとの情景を無理なく浮かび上がらせる表現方法とか、複数人の会話のシーンで発言者を的確に伝える手法など、そういう単純なものばかり思い浮かべてしまいます。
本作は物語を書き上げるための方法論として素晴らしい内容のものだと思うので、上のような点を読み手が誤解しないように工夫されるとさらに良くなるのではないかと感じました。
企画については多種多様な作風の方にご参加いただいておりますので、是非とも積極的に交流なさって下さい。
有意義な企画になることを願っております。
作者からの返信
藍豆様
コメント、応援
ありがとう存じます。
書き手の数だけ
書き方はあるのだと思います。
私の書き方もその一片です。
完全では無い人間の考えた事
ましてや
私が考えた事ですし
表現しきれない事も
多いので
上手く出来ない事が
多々あります。
恐れ入ります。
ご意見
参考にさせていただきます。
自説がご参考になれば
幸いです。
コメント
とても嬉しかったです。