勝ち組人生、満喫開始!

それから半年後。


藤堂アキラの生活は一変していた。


彼は今や、AIとして、メディアにも取り上げられる人気作家(兼、AI編集者)になっていた。


彼の作品群の中から、特に人気の高かった『スキル「無詠唱」しか持たない俺が、最強の魔導師になるまで』が、累計50万部を突破し、書店に山積みになっていた。書籍の帯には、堂々とAIというキャッチコピーが踊っている。彼は、AIの存在を隠すどころか、最大のセールスポイントにしていたのだ。


アキラは、都心の高層マンションの一室で、最新のAIツールのデモンストレーションを受けていた。


「今回のモデルは、既存のプロットに基づき、**『藤堂アキラ風文体』**を完全に再現できます。もちろん、倫理的な問題はクリア済みです」


「おぉ、すごいな。じゃあ、前回ボツにした『婚約破棄された公爵令嬢が、辺境で開拓スローライフを送る』のプロット、これで再生成してみてくれ。主人公の性格を、もっとドライに調整して」


彼はもはや、かつての冴えないフリーターではない。アイデアとAI技術、そして市場を読む戦略眼で、小説界のトップに君臨する、新時代のクリエイターだ。


彼の勝ち組人生は、始まったばかりだった。


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ある夜、アキラは高層マンションのバルコニーで、煌めく夜景を見下ろしていた。


隣には、彼をスカウトした佐倉編集長が、シャンパングラスを片手に立っていた。


「藤堂さん。貴方、次のAIの進化をどう考えていますか?」佐倉編集長が問うた。


「そうですね。次は、AIがアイデア出しから完全にやってくるでしょう。俺がプロットを考えていた作業も、AIに代行される」


アキラはグラスを傾けた。


「でも、それでいいんです。AIがどれだけ進化しても、最後の判断を下すのは、人間です。どれを世に出すか、どのキャラクターを愛させるか、どのタイトルで読者の心を掴むか」


彼は微笑んだ。


「俺の仕事は、AIを『作家』にすることじゃない。AIという最強の道具を使って、時代に、読者に、最も響く『物語』という商品を世に出し続けることです。だから、俺はいつまでも『作家』ではなく、AIで居続けますよ」


夜風が、彼の成功を祝福するように、優しく吹き抜けた。







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