第一章 第十話〈カレン視点〉「魔石」
「プレイ魔法カードセットは、運が最高に良いと感じた時に開けたいですわ」
セイラが言う。確かに。
「そうだね、じゃあ今は取っておこう」
三番目に出てきたのは、「ランダムででる魔石」。
「自分に適性の無い属性が出てきても使えるのでしょうか?」
「えーと、魔力を込めてあるから使えるんだって1」
「面白いですわね」
「こういう楽しい魔道具って誰が考えているんだろう?」
「レイディアンス商会、ユースア帝国の商会ですわね」
「ああ!あの光属性が生まれる公爵家として有名なレイディアンス家?」
「おそらくそうですわね」
会長はどういう人なんだろう。実用的なものを発明するお祖父様やお父様とは違うタイプの人なんだろうな。パッケージを鋏を使って切る。セイラの袋からゴロンとピンク色の塊が飛びだす。ハート型の魔石だった。
「…随分、大きいね」
セイラが微妙な表情で説明書を私に渡す。そこには、恋のキューピットの絵画の一部が印刷されていた。
『♡告白の魔法♡ 確率0.001%
おめでとうございます!!!あなたは世界の中でも有数な希少属性、光属性の個性属性である『愛属性』を持つ上級魔法使い、ラブラ・シファニーさんが込めた告白の魔力を手にしました!告白するときに触っていると、相手の素直な気持ちを引き出すことができます!五回分使えるよ!』
私は同じく「…」な表情で説明書をセイラに返した。
「お、お姉様も開けてみてください」
「闇属性とか出ないかな?」
「おそらく出ないでしょう」
切り口からパッケージを破る。出てきたのは雀の涙ほどの大きさの魔石。禍々しい雰囲気が漂う。説明書にはガイコツが占いをしている絵が。
『=呪い= 確率0.0001%
この魔石を相手に投げつけると、相手は途端にお腹を下すでしょう…』
「「……」」
長い沈黙が流れる。
「出たー!」
闇属性!
「仮に10個これを買って開けるとして、正常な魔法は出るのでしょうか」
セイラのコメントに、私とルディは頷かざるを得なかった…
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