聖なる男爵令嬢は留学先の学園で無双します!
此花咲耶
第一部「四年生三学期」
第一章「桜ノ月」
第一章 第一話「シルフィア学園へ」
4月のよく晴れた日。ピンク色の髪の毛と桃色がかった紫の瞳を持つ少女が立派な門の前に立っていた。彼女の名はカレン・カミヤ、11歳。明日から8歳の妹、セイラと一緒にここ、シルフィア学園へ通うのである。シルフィア学園は創立100年というこの世界では比較的歴史の浅いインターナショナルスクール。ヴェルサイユ宮殿に匹敵する敷地を持つ、大理石作りの巨大な学園である。教室はもちろんのこと、大貴族の邸宅を大改造して作った学校のため、庭園も、図書館も寮も食堂もそれぞれが立派な屋敷だ。
この世界では、全員が魔法を使うことができる。皆それぞれ属性があってその属性しか使えない。「四大属性」と呼ばれる火属性、水属性、風属性、土属性は100億人の人口の8割を占める。炎や氷、雷、岩など、四大属性の発展系、「個性属性」は1・99999999割を占める。後の0・00000001割は光属性だ。世界に一千人しかいない光属性。人を癒したり浄化したりすることができる。その千人の内の三人がカレンとその父レイ、弟のカオルだ。ちなみに、セイラと母、ジュンナは雷属性だ。カミヤ家は代々光属性を持つ子供が生まれることで有名な名家で、公爵位を賜っている。最も、カレンの祖父が公爵なだけで三男の父は男爵だが。
カミヤ家の歴史は、約六百年前まで遡る。「聖女」と呼ばれる百年に一人生まれる光属性を持つ女性は、代々国のために尽くし、結婚せずに一生を終えていた。そんな時、平民の家に双子の姉妹が生まれる。姉のシオンはラベンダー色の髪の毛に水色の瞳を持ち、妹のミオンはピーチ色の髪に淡いマゼンダの瞳を持っていた。姉のシオンのみが聖女として宮廷で育ち、妹のミオンはすっかり裕福になり、男爵位を賜った実家で大切にされて育てられた。ミオンは十七歳になるとある青年と出会う。それが、カミヤレンだった。男爵令息であるレンと聖女のミオンはまたたくまに恋に落ち、周囲に祝福されて結婚した。姉のシオンもパーティで出会ったレンに一目惚れしていたにも関わらず。二年後、二人の間には光属性を持つ双子、レオとマオが誕生。蓮音は王国初の光属性を持つ男性だった。今まで聖女は結婚しないものとされていたが、結婚してもなお光魔法を保っているミオンを見て、王太子はシオンに結婚を申し込んだ。しかし、彼女は王太子との光属性を持つ皇子を産んだ瞬間能力を失ってしまった。そこでミオンが聖女になる番がやってきたが、問題は彼女の身分だった。「聖女」の称号を与えられていたシオンと違って男爵夫人でしかないミオンが聖女となることは、王家の閣僚達の不満を買ったのだ。そこで国王はミオンの夫であるレンの文官としての優秀な功績と、ミオンの力、そしてカミヤ家に聖属性の子が生まれることを理由として、カミヤ家はいきなり公爵位をもらった。大層な貴族の批判を買ったが、レンはどんどん才覚を伸ばしついに宰相にまで上り詰め、ミオンはシオン以上の聖女としての功績を残し、なんと七人もの聖属性を持つ子を産んだことで公爵家として認められる様になった。一番の要因は彼女が平民の間でも貴族の間でも流行っていた恐ろしい病を全て祓ったからだと言われている。シオンは王太子のお飾りの妻だったが、だんだん愛が芽生え、仲のよい夫婦になった。それでもシオンはきっと自分の欲しかった全ての座についたシオンを憎んでいたのであろう、彼女と姉妹として話すことは無くなった。
こうして、フィルモンテール王国には二家の「聖家族」が誕生した。
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