世界観紹介
ルーティング・サン・シティ(Rooting Sun City)
北方フリクルト大陸を支配する科学都市。
星の北端に位置し、年間を通して厳しい寒気に包まれている。
十二月から五月にかけては極夜が続き、長い闇の中で都市は光を纏う。
都市旗
黒地に六角形の雪結晶。その下に緑のオリーブの枝が交差して描かれている。
黒は極夜の闇を、雪結晶は白雪と錯綜する交通網を、
オリーブの枝は平和を象徴している。
人口
約一千七百万。
通貨単位
ルーティング・ソル(Rooting Sol)
交通
高速電車を中心とした複雑な立体交通網。
都市全体が金色の軌道で結ばれ、上層と下層を縦横無尽に走る。
都市の特徴
エネルギー源「レイプリズ・キューブ(Rayplizz Cube)」を基盤に発展した都市。
生活から軍事に至るまで、すべての活動はこの方石エネルギーによって支えられている。
中心部には巨大な黒の方尖塔――
アセンダント・スパイア(Ascendant Spire)がそびえ立つ。
高さは約七百メートル、シュペール・エナジー社の本社ビルであり、
都市の象徴でもある。
長い極夜を照らすため、都市全体はネオンと人工太陽の光で輝き、
夜景こそがこの街の“昼”だと言われている。
都市構造
アセンダント・スパイアを中心に放射状に区画が広がっている。
アッパー・シティ(上城区)
権力者や富裕層が住む最も繁栄したエリア。
行政・企業の中枢機関もここに集中している。
ロワー・シティ(下城区)
中産階級と労働者層の居住地。工場や港湾が並び、治安は不安定。
時折、暴力事件や衝突が発生する。
フィールド・ゾーン(原野地帯)
ロワー・シティと無光区の中間地帯。
農地やエネルギー中継施設が点在する。
エクリプス・ワード(無光区)
都市の外縁部。
流浪民や非登録市民が多く、人口の正確な把握は困難。
違法義体や密医、ブラックマーケットが横行する闇の領域。
通信技術
オーロラ・タイプX通信システム(Aurora-TypeX)
身体に埋め込まれたコミュニケーション・チップを通じて通信を行う。
通話時、使用者の視界にはオーロラのような光幕が展開し、
相手のアイコンや文字が色彩を変えて揺らめく。
感情や会話のトーンに反応して光の色が変化するのが特徴。
・平常/穏やか:青・緑
・曖昧/恋愛的:桃紫色
・怒り:赤と白の点滅
コンピュータシステム
端末の種類
・据置型/データターミナル:企業や個人用の大型機。
・浮遊型タブレット:一般的な携帯端末。ユーザーに追従して漂う。
・
薄絹のような高級端末。袖口に収納でき、展開時は光の巻物のように広がる。
クルンツ・オルセンもこの型を改造して使用している。
政治体制
最高行政機関:
ルーティング・サン・シティ行政統合局(Rooting Sun City Administrative Integration Bureau)
主要組織:
・都市治安局(Department of City Order/D.C.O.)
治安維持および都市防衛を担当。
・人口管理庁(Department of Population Administration)
住民登録および抹消を行う。
・ルーティング・サン・シティ議会(Rooting Sun City Council)
定員三百名。
うち百五十名は市民選出、七十五名は企業代表、
残る七十五名は行政統合局による任命制。
チップ・システム
レイプリズ・キューブと並ぶもう一つの基盤技術。
人体の電位をエネルギー源とし、
生活・戦闘・情報処理の各分野で利用されている。
コミュニケーション・チップ(Communication Chip)
市民の標準装備。
オーロラ・タイプX通信システムと連携し、普及率は九十五パーセントを超える。
ハッカーや裏社会の者は、ブラックマーケット製の改造チップを使用し、
「ダークネット(DarkNet)」と呼ばれる非公式通信網を形成している。
クルンツのチップは完全改造されており、
黒網への自由なアクセスが可能。
タクティカル・チップ(Tactical Chip)
傭兵や犯罪組織の構成員が使用。
脊椎や大脳運動皮質に埋め込まれ、
神経刺激とアドレナリン反応を高めることで身体能力を強化する。
高価なため、正規ルートで入手できるのは企業傭兵や政府関係者のみ。
闇市場品は品質に大きなばらつきがある。
ニューラル・チップ(Neural Chip)
主にハッカーやエンジニアが使用。
神経伝達を拡張し、意識とデータを直接リンクさせる。
高負荷ゆえに、適性がなければ精神崩壊の危険がある。
クルンツの搭載する高速ニューラル・チップは、
父親が開発した試作モデルであり、一般規格を遥かに超える性能を誇る。
サイバー・メック義体(Cyber-Mech Prosthesis)
人工機械構造による義肢。
人体の補助だけでなく、軍事・警備にも広く用いられている。
内部にレイプリズ・キューブを内蔵し、一部は太陽光を補助エネルギーとする。
シュペール・エナジー社製のモデルが最も普及し、品質も安定。
エクリプス・ワードでは中古パーツによる改造義体が流通している。
シュペール・エナジー社(Shupearl Energy Corporation)
企業旗
金属的な銀灰地に、天藍のエネルギー回路を描いた立方体。
周囲には赤い軌道が回転し、上部には黒い「S」の文字が刻まれている。
企業概要
ルーティング・サン・シティ最大の企業にして、
レイプリズ・キューブの精製技術を独占する支配者。
義体・機械兵・戦術チップなども開発し、民生から軍事まで幅広く展開。
議会の三百議席のうち七十五席を掌握し、
政府との密接な連携により政治をも動かす。
S=ベクター傭兵団(S-Vector Mercenary Unit)
企業直属の私設傭兵組織。
重要人物の警護や特殊任務を担当する。
現在の社長テオハート・シュペールは、
滅多にこの部隊を動かすことはないが、
必要とあらば政府すら動かす影響力を持つ。
レイプリズ・キューブ(Rayplizz Cube)
手のひらほどの立方体。内部には青い液体が流れ、淡い光を放つ。
都市全体のエネルギーの七割を占め、
生活・産業・軍事のあらゆる場面で使用される。
特殊加工によって記憶データを記録・具現化することができ、
生命データ保存装置クナブラ・ヴィタイなどにも利用されている。
ファイアウォール《インフェルノ(Inferno)》
シュペール・エナジー社が開発した九層構造の防御システム。
現実と仮想の狭間に存在し、各層ごとに独自の防壁と神経干渉機能を備える。
侵入者の脳を焼き切る危険を持つため、挑む者は極めて少ない。
都市の重要データはすべてインフェルノに守られており、
ハッカーたちの最大の障壁となっている。
オーロラ・カスケード投影システム(Aurora Cascade Projection System)
ルーティング・サン・シティの環境を模して開発された装飾照明技術。
大気中の電子を媒体として投影を行い、
水のように触れても濡れない光の流れを作り出す。
都市の夜景やイベント照明に多用されている。
クナブラ・ヴィタイ(Cunabula Vitae)
正式名称:生命搖籃――永生記憶保存倫理機構。
死者の記憶を再構成し、レイプリズ・キューブに刻印して
仮想世界内で人格を存続させる装置。
莫大な費用を要し、富裕層以外には手の届かない存在である。
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