第3話

〇山中、森の中の細い道


MOMOとマロンは


山の中の道なき道を歩いて行く。


木の上の方で猿がキーキー鳴いている。


MOMO

「おぬし、ここに降りて来るだに」


猿が木の枝から


MOMO達の前に


飛び降りて来る。


猿   

「キキーキーキー」


MOMO

「ワシは猿語は分からんだに。


このホンヤク・コンニャクを食べるだに」


猿はあっという間に食べる。


ゴン助 

「ワテは猿のゴン助いいます。


魔王退治に連れて行ってくれへん?」


MOMO

「なぜ、おぬしは魔王退治というような


個人情報を知っているだにか?」


ゴン助 

「ワテには仲間がぎょうさんおるんや。


仲間は家やら道やら、


人のいそうな所には必ずおって


個人情報を集めて


ワテに送ってくれまんねん。


伊賀や甲賀の忍者なんか、ちょろいでっせ」


MOMO

「おー、おぬしの監視システムは


忍者よりも優れているだにか。


このバトル変身キビ団子を食べてみよ」


ゴン助

「キキィーっ、へんしーん!」


十メートルぐらいのゴリラに変身する。


胸を張って、


両手のゲンコツで胸をドドンドドンと叩く。


眼は真っ赤に燃えている。


地球の裏側までとどきそうな大音声で


「ガオー、ガオー、ガオー」


MOMO

「おおーっ、GODZILLAか


太ったエバンゲリオン初号機か!!」


変身したゴン助はジャンプすると


向こうにそびえる山のてっぺんに着地する。


火を噴くので周囲が大爆発を起こす。


胸をドドンドドンと叩いて、威嚇する。


MOMO

「分かった分かった! もういいだによ!


これでおぬしはいつでも変身できるだによ」


ゴン助はMOMOの眼の前にジャンプすると


もとの小さな猿に戻る。


MOMO

「ポケットに入れたキビ団子を返すだに」


ゴン助

「ばれたか、えろう、すんまへん」


MOMO

「手癖の悪い奴だが


人手不足の折だから仕方ないだにねえ。


ハローワークに求人出すのは面倒臭いだによ


ではワシと一緒に


ミッション・インポッシブルに向かうだに」

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