きらいだ

天気

おもいで

「正直言って君が嫌いだ」

……やっと、言ってやった。

ひかるは呆然と口を開けて、僕を見ていた。

「あはっそんなに傷つく?

僕は君と金輪際関わりたくない」

快感だ。

「ただの悪口になっちゃうからね、なんでか教えてあげるよ。

存在。

何が嫌いなのかわからないぐらいには、嫌いだ」

だから、一つの結論に至ったんだ。

存在自体が嫌なんだってね」

自分でも驚くほど、スラスラと言葉が出てきた。今まで溜め込んできた僕の気持ちに、後悔するといいよ。

盛大に傷付けばいい。

泣けばいい。

僕の方にでもしがみつけばいい。

「…そうか」

「へえ、随分と冷静だね。

それとも、平気なフリしてる?」

光は今、何を考えているんだろう。

「そうかもな」

表情が読めないくせに、妙に脳に焼きつくような

「悲しいよ」

それが、僕の初めての思い出だった。

光の声は覚えてない。

確か、口調の割に声が高かった気が、する。










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きらいだ 天気 @Laikinto6913

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