第2話
ローカルネットカフェ、と言うものがある。密かなブームとして耳にした人も多くなってきただろう。まあ、一応現時点での情勢を記述していく。後年になって役割や状態が変わるだろうが、それはその時追記ないし修正すればいい。僕がその気になれば……の話だが。
さて、そのローカルネットカフェというのは閉じたネットワークを提供する喫茶店のことだ。店舗内で閉じていることもあれば、グループ・系列店を繋いでることもあり、はたまたローカルの名の通り地域で閉じていることもある。そしてその中で限定のコンテンツや客同士のコミュニケーションの場を提供している。
ここにはインターネット黎明期のチャットページや掲示板、テキストサイトが独自で運営されていたり、地域であればクーポンなどが配布されたりする。店主のボヤきのような、所謂チラシの裏的な要素が散見されることが多い。ここにはここにしかないコミュニティが形成され、一般的なインターネットよりも踏み込んだ内容が取り沙汰されることが多い。
人は多かれ少なかれ、限定された情報というものに価値を見出しがちだ。ここだけの話、なんて枕詞に何十年も、ともすれば何世紀も人々を魅了しまたは欺き続けてきただろう。
しかしそれを広める人もまた幾人も出てくるのは道理で、このローカルネットを誰かが外に繋げて仕舞えば、それはインターネットと何ら変わらない。
変わらないのだ。
追記:今では廃れたと思いきや、一部界隈で活気が戻っているとのこと。その界隈は、ゲームセンター界隈で、どこそこに強いプレイヤーがいる、などの過去のゲームセンター文化が再興しているようだ。これもゲームセンターに通う年齢層が高まっていることと、過去の文化に憧れている若年層に支えられているようだ。私見ではあるが、このようなローカルコミュニティの中でも更に閉じたコミュニティというのは、村社会のように異分子を排除する傾向にあるのではないだろうか。このような界隈ではそれが功を制して、と言って良いのかは分からないが、ローカルネットを保てているのではないだろうか。あるいは、単に忘れえぬ子供心で秘密基地のようになっているのかもしれない。
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