第9話 人間存在は地球にとってバグか?
前回は、「人間存在はバグか?」という論点を、不条理哲学の視点から考察してきました。
次に、視点を変え、サステナビリティの観点から「人間存在は地球にとってバグか?」という問いについて考えてみたいと思います。
地球は「居住可能な惑星」であり、様々な生物が地球上に生まれ繁栄してきました。
その中で人類が誕生したわけですが、人類の誕生が地球にとって必ずしも好ましいものだったのかは疑問が残ります。
人類は科学技術を発展させ、地球、宇宙、自然、そして人類自身を探求してきました。
その技術の進歩は、人類の生活を便利で豊かにしましたが、同時にその負の側面が顕著になりつつあります。
環境破壊、資源の過剰利用、そして地球温暖化を含む気候変動問題がその代表的な例です。
これらの問題が人類だけに影響を与えるのであれば、まだ対処は容易かもしれません。
しかし、現実には他の生物や地球そのものにも大きな負の影響を与えています。
もし、地球に意識があるならば、「人類という厄介な存在が誕生してしまった」と感じているかもしれません。
まさに他の生物や地球にとって、私たちは「招かれざる客」であり、その意味では「人間存在は地球にとってバグではないか?」と考えることができるのです。
この「バグ」を放置したままでは、自然は私たちを修正しようとするかもしれません。
気候変動による災害や、感染症の拡大、自然資源の枯渇などは、ある意味で自然が人類を「デバグ」しようとしている兆候とも捉えられます。
自然のシステムは非常に複雑で、繊細なバランスの上に成り立っていますから、
私たちの無意識な行動がそのバランスを崩してしまうと、その結果として私たちが受ける影響は避けられないでしょう。
もし人類が、自らの過ちを十分に反省し、今後他の生物や地球との共生を目指すならば、自然の力は私たちを「バグ」とは見做さないかもしれません。
持続可能な未来を築くために、私たちは今、地球と調和する道を選ばなければなりません。
さもなければ、自然の力が私たちを「デバグ」する日が来るかもしれません。
つづく
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