何を隠そう『第四十五回横溝正史
ミステリー&ホラー大賞、第一次選考の
狭き門を堂々突破している作者の
超短編怪異譚集!!その第三弾は、
モダンな中にも本気の恐怖、そして洒脱な
ユーモアとアイロニーを散りばめた
短い一話完結の作品である。
作者の筆に因るところ、至る所に
怪異が生ずる。
まるで映写機で風景を見せられるのが
まさに ホラー なのだから物凄い。
日常の裂け目に生じた幾つもの不可解が
じわり、恐怖をもって現れる。尤も、
これを読んだからといって、
闇の奥からあなたを見つめるモノが
いるとは限らないし、背後から追い縋る
モノがいるとも限らない。
巧い文章に浸りたい、或いは怖い掌編を
読みたい、若しくは独りでは怖いから
憑いて来て欲しいと思う方は
特に必見。