「余と共に__」

 手水のが肩をいだく。

 まぁ、座りなさいなとベンチへといざなった。


 含んだ空気とともに水面を弾き、奥へと沈み込む水の音。


 夜の風は冷たくとも、暖かった。


 数人が玉砂利を踏み沈めて本殿へと参る姿を観る。


 照らされた狛犬らは確かにそこにいて。

 牛が背後をまもる。


 喧騒けんそうから浮いた山中はかすかな雅楽ががくと共に私たちを留めていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る