沈殿

 自律も自立もしていないし、自分で物事を判断することが果てしなく面倒臭い。

 ただ無味に、さながら愛玩動物あいがんどうぶつのように、手懐けられて愛されていたい。

 されど、飽きられたくはないし、都合よく扱われるのは不快。

 やはり、自由を求め、狂い踊らされる操り人形のような自分である。


 無様といえば、無様。

 幸福といえば、幸福。

 悲痛といえば、悲痛。

 騙され、罵倒され、棄てられても。

 結果はお察しの通り。お望みの通り。


 裏返したとて、白紙ですらない。存在すらないのかもしれない。

 黒ですら、透明ですらない、愛。

 阿呆である。愚かである。

 理解しつつもわからずに。

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