SCP-4999 私達を見守るもの

アイテム番号: SCP-4999


オブジェクトクラス: Keter


撹乱クラス: Ekhi(4)


リスククラス: Notice(1)


SCP-4999は起源、構成ともに未知の人型実体です。

身体的外見は様々で、黒いスーツであることのみが一貫しています。

SCP-4999の出現の少なさと、それの発生する特殊な状況のためにオブジェクトについての利用可能なデータは限られています。


SCP-4999は病気や怪我、老衰にて亡くなる20分未満の状態である孤独な一人の人物の傍にのみ出現します。出現位置は対象の視界内です。

また、睡眠や昏睡により意識がない場合の他、近くに人がいる場合や直接的な監視を受けている場合はSCP-4999は出現しません。


亡くなる直前の状態である対象の傍に出現したSCP-4999は、付近に座ることのできる椅子がある場合それに座ります。

椅子がない場合は対象に物理的接触を取れる場所に立ち続けるまたは座り続けます。

この状態になると、SCP-4999は対象に煙草を勧めます。

対象が承諾した場合、SCP-4999は対象の唇に煙草を咥えさせ、もう一つを自身で咥え両方に火をつけます。

対象が拒否した場合、SCP-4999は一本の煙草に火を点け、喫煙します。

そしてSCP-4999は対象の手を握ったり、対象の手の上に自身の手を被せたり、対象の肩を持つなどの物理的接触を行います。


その後、SCP-4999は対象が息を引き取るまで静かに動くことなく傍に居続けます。


SCP-4999が上記以外の行動を行う様子は確認されておらず、対象が死亡すると即座に消失します。SCP-4999が消失した後も残留する対象の煙草がSCP-4999が存在する唯一の物的証拠です。


現在までSCP-4999の対象となった人物がSCP-4999に対して怯んだり抵抗したりすることはなく、SCP-4999の存在をアイコンタクトで確認したり、接触を繰り返させたり、接触を手助けする為姿勢を変えたり、SCP-4999に気づいたときに涙を流したり、煙草を受け取るときに感謝を述べるなどの行動を取るにも関わらず、SCP-4999と会話を試みた人物は確認されていません。


SCP-4999が現れやすい人物の特徴を以下に示します。


・一人で生活している

・宗教信奉者でない

・生活が困窮している

・精神病の経歴を持つ

・退役軍人である

・犯罪歴が無いまたは、暴行罪の判決を受けたことが無い

・その時点で存命の親族がいない

・未婚あるいは重要な他者を持たない

・社会的な立ち位置にあまりいない、または全くいない

・プロまたは個人として達成したことの重要な記録や行いを一切誇示しない

・利益的な相互関係を持っていない


また、各々から見てありふれていたり、没個性的であったり、無視されていたり、平凡あるいは重要な立場でないという人生や素質のある人物も該当します。


SCP-4999に対する実験は許可されていない又は試みられておらず、これは対象を観察することがSCP-4999の出現を妨害するためと倫理的配慮のためです。


SCP-4999に関しての報告は、数千年前に遡るものもあります。







ここからは私の妄想です。

本家見てください。お願いします。


個人的にSCP-4999は現実改変能力者で、どこかの時代から孤独な人物を看取るために現れているのではないかと考えています。最後は、人の温もりを感じていてほしい、その一心で。


またSCP-4999と会話しようと試みる人物がいないのは、長い間人の温もりとは無縁の生活をしてきた対象たちにとって傍にいてくれる人以上のものは必要なかったからなのかな、と想像したりしています。



今回はこれで終わりです。

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