何度でも君に
俺の名前は高竹光立。あだ名はタケミツ。
想い人、野々宮夜昼さん、ヨルさんから「あんた気持ち悪いのよ」と言われた高校二年生だ。
今は彼女に相応しい男になるべく日々努力しているんだ。
俺は気がついた。
もっと真剣に学生生活を送るべきだと。
俺は普通に登校し学級委員長になり生徒会長になるべく選挙活動を開始した。
タスキをつけ有権者と握手しているときに本来の目的を思い出して書紀に立候補しているノリカを生徒会長に推薦してタスキを渡した。
すまない、生徒会長になってしまうと他の事が出来なくなってしまうんだ。
ノリカは立ち去ろうとする俺を追いかけてこう言った。
「私の生徒会長はあなただけです」
彼女の熱い応援演説に俺はこう答えた。
「俺の代わりになれるのは君しかいない」
寂しげな眼をする彼女を残して俺は下校した。
ノリカ、真面目で優等生だけど眼鏡じゃない君ならきっといい生徒会長になれると思うぜ。
ランニングしていた格闘技部の部員たちにノリカに投票するように拳で言い聞かせておいた。
選挙活動で注目されているときに気がついた。
俺は人前に立つのが苦手だと。
俺は発声練習をし実況の練習をして同接三万の人気ストリーマーになった。
バーチャルアイドルのリアル子ちゃんとコラボ配信をしているときに本来の目的を思い出して大切なお知らせとして引退を宣言した。
すまない、コラボ配信で引退を宣言してしまって。
リアル子ちゃんは俺の宣言を冗談のように取り繕って配信を続けようとしてくれていた。プロの配信者魂を見た。その諦めない根性、嫌いじゃないぜ。
配信終了後、ストリーマーを辞めないで欲しいと懇願する彼女を俺は優しく諭した。
すまない、俺はやはり人前に立つのは苦手だ。俺が立つのは夜昼さんの前だけでいい。
そんな俺のわがままに君を付き合わせる訳にはいかない。君は君の道を歩んでくれ。陰ながら応援しているよ。
配信を見て酒を飲んでいたオルコから酒を取り上げた。酒はやめろオルコ。
取り上げたお酒を見て気がついた。
俺は酒に詳しくないと。
別に飲みたいわけじゃない。高校生だしね。ただお酒について正しい知識を付けるのはいいことのはずだ。
俺はオルコに酒について教えて貰いお酒の作り方を覚え米に拘るために米農家になった。
米の品種を決め農協と相談しているときに本来の目的を思い出して米を炊いた。
すまない、やはり米は炊いて食べたほうが美味い。
彼女と出会ったのはそのときだった。
精米機にお使いで来ていた小学生のコッコちゃん。
彼女は驚くべきことに10kgの米袋を担いでいた。その怪力には格闘家として日々鍛えている俺も敵わない。5回腕相撲を挑んだけど1度も勝てなかった。
彼女は別れ際にこう言った。
「また遊んでね。お兄ちゃん」
俺はその誘いを断った。
すまない、男子高校生が女子小学生と遊んでいるのは世間体が悪いんだ。
人前に立つことを経験した俺には出来ない。
同じ小学生の友達を見つけてほしい。君のその怪力ならすぐ学校を支配することが出来ると思うぜ。
俺は決闘を挑んできた格闘技のライバルを一撃で気絶させてから帰宅した。
学校生活を満喫しストリーマーとして人前に立つことを覚え米についての知識を得た俺はヨルさんに会いに行くことにした。
ヨルさんの家にいき彼女がいなかったので彼女の母親と仲良くなり風呂に入った。
ヨルさんの家の風呂で頭を洗っているときに本来の目的を思い出して頭を流した。
すまない、順番を間違えたようだ。いきなり風呂に入るのはおかしい。まずは晩ごはんだ。
俺は米を炊き豚の生姜焼きを作りSNS映えする写真をアップロードした。
彼女の母親が配信者として人気が出始めた頃、彼女が帰宅した。
「おかえり、晩ごはん出来てるよ」
「なんであんたが晩ごはん作ってんの!? 気持ち悪い」
ファストフードの紙袋を持っていた彼女はそのまま部屋に行ってしまった。
健康を気にせず自分の好きなものを食べるなんて。
やっぱり僕の初恋は最高だ!
豚の生姜焼きを食べてから俺は帰宅した。
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