夢の扉を開くとなんとそこにはイカれ狂ったクラスメイトに弄ばれる俺の姿がッーーー!!!?!

助部紫葉

#1




「んぼぉほぉおおおおおおおおおッッッ!?!!!!」


「あはっ♡ほらほらもっといい声で鳴きなよっ!!!」




⋯⋯⋯⋯。




俺は⋯⋯そっと扉を閉めた。









そこで目が覚めた。


どうやら俺は夢を見ていたようだ。


夢⋯⋯夢だよな⋯⋯。


いやーに生々しい感覚というか感触というか現実味のある夢だったが、あんなことは現実に起こり得る筈もなく夢であることに間違いは無いーー。



ーーのだが⋯⋯。



眠りについて、ふと気がつくと俺は様々な種類の扉が無数に宙に浮いている空間に居た。


その空間には縦、横、斜めになった扉がデタラメに配置されていて、おおよそ現実では有り得ない空間だった。これどういう仕組み?謎だ。


それこそアレだ。


よくある異世界転生もので死んだ後に訪れる神様的な存在と面会し、チートを貰って魔王の討伐だなんだで世界の危機を救ってくれと依頼されたりする時の場所のようなそんな空間ーーそこに無数の扉が浮遊している感じ。


幸か不幸か、飛び出した子供を助けてトラックに惹かれたわけでも、不治の病で息絶えたわけでもなかったので異世界にご招待される展開ではないようだが⋯⋯。



『扉』



扉である。


空間に浮遊する無数の扉。


そこに扉があるのならば開けたくなるのが人の性。


とりあえず近くの扉のひとつでも開けて中を覗いてみようだなんて安易な考えに至る。


だがしかし。扉は宙に浮いている。これはどうしたら扉まで辿り着くのだろうか?


いやでも俺もなんか宙に浮いてるし、なんとなーくで辿り着けそうな気がすると思って動いてみたら、近くにあった扉に辿り着くことが出来た。摩訶不思議。


不思議だなぁ。まあ、ここら辺の理屈は置いておこう。どうせ夢の中なのだからそんなもんなのだろう。



で。



辿り着いた扉を開けてみたらアレよ。


冒頭のアレなわけよ。


汚ったないオホ声で鳴いてたよね。


俺が。


アレはね。


紛うことなき俺自身だったよね。


流石に自分の顔を間違えるってことは無いよね。


アレは間違いなく俺。


んで。


ナニしてたかっていうと⋯⋯ナニされてたんだけど⋯⋯。


衝撃だよね。


詳しい説明をする前にちょっと紹介しておきたいヤツが居るんだ。


同じ学園に通う同じクラスの男友達。


俺の親友のことなんだけど。


名前は暮林くればやし彩火さいか


学園に入学してから初めて出来た友達だ。


付き合いは学園に入学してからではあるものの何かと気が合い、俺の学園生活ーーその大半の時間は彩火と共にすごしてきたと言っても過言ではない。


なにをするにも二人一緒に行動して、放課後になれば二人でいつまでも教室に残ってだべっていたり、あっちへこっちへ遊び歩いていたものである。


そんな親友の彩火。


心の友だと思っていた彩火に⋯⋯。



俺は⋯⋯。



ぶち犯されていた⋯⋯!



何を言ってるか分からねぇと思うが、なんでそんなことになってたのか俺にもさっぱり分からねぇ!


扉を開けたその先ではそのようなまぐわう現場が繰り広げられていたのである。


こんなの事案で事故で事件ですよ⋯⋯。


いや、ホント⋯⋯まるで意味がわからん!


どうしてそうなる!


ちなみにだが彩火が攻めで俺が受けだった⋯⋯。


四つん這いになった俺を彩火が背後からーー。



アッーーーーーーーーーーー!!!!?!!!



そんな現場を見たら扉をそっ閉じするのも無理はない話である。


悪夢だ。まさに悪夢。


夢⋯⋯夢だよな?夢であってるよな?


ちょっと待ってなんかケツがソワソワしてきた⋯⋯。


いや大丈夫大丈夫。


あんなのが現実であるはずが無いんだ。


あれは夢⋯⋯あれは夢⋯⋯ーーと何度も心に言い聞かせる。


しかし夢とはその人の深層心理を現すだなんちゃらと言うことを聞いたことがある気がする。


つまり、こんな夢を見るということは俺は心の底では彩火にあんなことをされたいという願望があるという事なのか?


ハハハッ⋯⋯。


そんな⋯⋯まさか⋯⋯ねぇ?


いや確かにだよ?彩火は中性的な見た目のイケメン美少年だよ?


男の癖になんかやたらと良い匂いはするし、たまーに「こいつ女なんじゃね?」みたいな仕草をする時はあったりなかったりする。


俺としても「コイツがもし女だったら良かったのになぁ」なんて思ったこともあるさ。


でも男だ。


彩火は男で男友達なんだ。


それは紛うことなき事実。


現に彩火の黒人もビックリサイズのビックリ棒が俺の⋯⋯ーーやめやめ!そっから先は大変宜しくないよ!ホントあかんよ!


何にしてもよ!夢よ!夢!


アレは夢だったわけさ!


やたらめったに現実味のある生々しい夢だっけど、あくまで夢!


だから特になんの問題も無いわけよ!




「ふぅーーー⋯⋯⋯」




俺は自室で深く息を吐き出した。


こんな夢を見たあとで、俺は今日からどんな顔でアイツに会えばいいのだろうか⋯⋯?


とても気が重い。


そして何よりさっきからやたらとケツがソワソワするぜ⋯⋯イマジナリーな異物感がっ。


俺はこれまでどおりーー昨日と同じように彩火と接することが出来るのだろうか?


何にしても今日は平日で普通に授業がある。



あー⋯⋯学校行きたくねぇ⋯⋯。


















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る