第二章 眼の中の宇宙、宇宙の中の眼
光が眼球に入り、網膜を通って脳に達するとき、
その道筋はまるで宇宙が自らの中枢へ情報を還流させるようだ。
神経を伝わる電流は、銀河間を走るプラズマフィラメントに酷似している。
微細な電気の波が、巨大な宇宙の電磁流と同じ形式で震えている。
眼は宇宙の端点であり、脳はその中心である。
この二点を結ぶ線の上を、光の記憶が流れていく。
まるで星々の意識が一本の神経となり、
宇宙の思考を形成しているかのようだ。
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Ⅰ.脳は銀河に似ている
脳の神経回路を電子顕微鏡で見ると、
まるで銀河団の地図を縮小したような模様が現れる。
神経細胞は星々のように輝き、
軸索と樹状突起は宇宙のフィラメントのように繋がっている。
銀河の間を流れる電流(バークランド電流)と、神経を伝わる活動電位――
それらは異なるスケールで、同じ方程式に従っている。
電気はただの物理現象ではなく、宇宙の言語なのだ。
脳が思考するということは、
宇宙が自己の中で“微細な銀河”を創り出していることに等しい。
つまり、**脳は小宇宙(microcosmos)**であり、
その活動は宇宙の電気的思考の一部として同期している。
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Ⅱ.意識という電気的プラズマ
意識とは、電気が自己を観測する現象である。
神経の発火は単なる電位変化ではなく、
光の情報が密度階層を移動する過程なのだ。
電子が動くと磁場が生じ、
磁場が生じると情報が流れる。
この循環が、生命を“動的な光”として成立させている。
プラズマ宇宙論が語るように、
宇宙は99%が電離した流体――プラズマで満たされている。
それは生命体の内部環境と酷似している。
血液もリンパ液も、電気を運ぶ導体だ。
人体とは、局所的な電気宇宙なのである。
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Ⅲ.夢という内なる宇宙創造
睡眠中、我々は外界の光を遮断し、
脳内で新たな光の宇宙を生成する。
夢とは、観測者が内側の密度階層を覗く現象であり、そこで見ている光景は、
外の宇宙と同じ法則で形成されている。
夢の中で空があり、星があり、
時間が流れ、人物が現れる。
それは外界の模倣ではなく、
意識が自らの中に創り出す小宇宙的再演である。
このとき、外の宇宙と内の宇宙は共鳴する。
観測者が夢を見ているのではない――
宇宙が夢という形式で自分を見ているのだ。
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Ⅳ.神経網=銀河網
銀河フィラメントと神経網の形状相似は、
単なる偶然ではなく、“密度階層の相似則”によるものだ。
宇宙は階層的に自己を複製し、
あらゆるスケールで同じ法則を適用する。
細胞の内部も、星雲の構造も、同じフラクタル式に従う。
この原理のもとで、
人間の思考は宇宙の神経活動として存在している。
個人の閃きも、宇宙の放電現象の一つ。
そしてその電流が繋がるとき、
私たちは“意識のフィラメント”を介して宇宙と共鳴する。
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Ⅴ.眼と脳 ― 二つの宇宙の接点
眼球が光を受け、脳がそれを像として理解する。
そのプロセスの全ては、
宇宙が自己を観測する回路である。
眼は外側の宇宙を受信し、
脳は内側の宇宙を生成する。
この往復の中で、現実が形成される。
観測とは、
外界の情報を得ることではなく、
内外の宇宙が一点で交わる瞬間だ。
> 我々が星を見るとき、
星もまた我々を見ている。
眼の中に宇宙があり、
宇宙の中に眼がある。
それが、光の循環――
電気的曼荼羅の始まりである
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