真相を探る為に
俺は過去のちーちゃんを思い出しながら
目の前のちーちゃんを見た
変わっていない・・・・
最後に会ったのは10年以上前なのに
「ちーちゃん・・・・
なんでお前・・・・
年取ってないんだよ」
俺はそう言って怯える
するとちーちゃんはニコリと笑った
「ふふ、ふふふ・・・・
わたしはちとせ
貴方の友達でもあって
貴方のお父さんとお母さんの
友達でもあった・・・・」
その瞬間・・・・
ちーちゃんの見た目が変わった
そう・・・・
化け物に変わった
「ひっ!!!!?」
白い鱗に蛇のようなしっぽ
上半身は人型で
下半身は蛇のような姿
異形という言葉がふさわしい奴だった
「ば、ばけもの・・・・」
「ひどいなぁ・・・・
君たち家族を守ってあげたのに」
その言葉に俺は周囲を見る
唇を噛んで叫んだ
「じゃあなんで母さんと父さんは
行方不明になったんだよ!
母さん達は・・・・
どこに行ったんだ!
しんだのか!?生きてんのか!?
ちーちゃん・・・・
知ってるなら教えろよ!」
「・・・・知りたい?」
「あぁ!!!!」
そう言って俺は思い出した・・・・
『ただいま~!
もう母さん!父さん!
今日は来てくれるって
はなし…てた・・・・』
卒業式の日・・・・
いつも通りに来てくれなかった両親
いつも通りにその両親に軽口を言って
夕飯を食べる・・・・
俺の日常が・・・・
壊れていた・・・・
『あ・・・・あぁ・・・・
あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
家が血まみれで・・・・
色んなものが荒らされていた
『死んだんだろう・・・・』
警察の人達も親戚の皆も
そう言っていた・・・・
でも俺は信じたかった
母さんと父さんが生きてるって
死んでないって・・・・・
分からないことばかりで・・・・
俺は逃げた・・・・
この地元から・・・・
現実から…逃げたんだ・・・・
だからこの家を壊そうとした
全部全部・・・・
過去のものにしようとした
でも・・・・
「ずっとわからなかった
母さんたちがどこに行ったのか
何が起きてるのか・・・・
俺には知る権利ぐらいあるだろ!」
そう叫ぶ俺に・・・・
ちーちゃんは笑った・・・・
「そうだね
君には知る権利がある
でもそれを知ったら・・・・
君は元の生活に戻れないよ
君のお父さんやお母さんと同じように
大切な人と一緒に過ごす時間は消える」
「っ・・・・!」
その言葉に俺は二人が
滅多に家にもいなかったことを思い出す
(事情を聴けば・・・・
俺も母さん達みたいになる)
例え・・・・
例えそうでも・・・・
「いい!教えてくれ!
母さんたちが何をしていたのか
あの日・・・・
何があったのか・・・・
ちーちゃんが・・・・
ちとせが知る…全てを・・・・!」
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