Buddy Cop: Digital Brotherhood

FBI捜査ファイル３ 神の怒り

《The Long Legs》の連続殺人は、フリーランスの外科医だけに留まらなかった。

ビッグバン・コーポレーションと契約するサイバネ医師たちまでもが標的となった。

ビッグバンが血を流すとき――世界はそれを感じる。

シーン：FBI本部 — ワシントンD.C.

黒塗りの重厚なリムジン隊列がJ. Edgar Hooverビル前に滑り込む。

完璧に仕立てたスーツの男たちが、鏡張りのサングラスをかけて降り立つ。

全員、武装。全員、緊張の張り詰めた顔。

その中心をゆっくりと歩む一人の男。

アレックス・マーフィー・ジュニア――ビッグバン・コーポレーションCEO。

全ての科学、物理現象をあざ笑い、奇跡を世界にもたらす災禍の権化。

彼の辞書に常識のインデックスは存在しない。

世界産業の七割を支配する男。だがここだけの秘密：彼はアレックス（ブラックジャガー）の父でもある。

三つ揃いのアルマーニ。

手に持つ鋼のステッキが大理石の床を刻む。

瞳は磨かれた黒曜石のように冷たい。

空気が、彼を通り抜けるときに歪む。

FBI長官のオフィス

FBI長官はデニス・ガード―ナー（５５）硬直する。

アレックス・マーフィー・ジュニアがデスクにフォルダを叩きつけると、中から現れるのは――

性器を切断された外科医たちの写真、焼け焦げたインプラント、壁に刻まれたサイファーの残滓。

アレックス・ジュニアが冷たく轟く声で発声する。

「長官。これが私の部下だ。契約下の医師だ。サイバネティクスの英才たちが、家畜のように屠られている。

あなたの局は何をした？　何も、何もしていない。もしFBIがビッグバンの利益を守れないなら――企業自らが守るまでだ。それを我々は実行できるプロトコルを有している。ご存じだろう？」

FBI長官デニスは汗を滲ませ、言葉を探す。

「ミスター・アレックス・ジュニア、我々は捜査中です。しかしこの手口は――連続殺人の線が強く、企業の敵対行為とは限ら――」

アレックス・マーフィー・ジュニアBBC、の神がステッキをFBI長官室の高級な机に叩きつける。

目が燃える。

「メルヘンで私を侮辱するな！　The Long Legsは偶発ではない。狙われた破壊工作だ。お前らのエージェントがそれを止められないなら――私が止める。

　よく聞け、ディレクター。すぐに結果が見えなければ、貴様の阿呆な息子を――私が自らの手でスポンジボブにで改造してやる！！これは脅しではない！！命令だ！！」

その場に流れた沈黙は、銃声より重く、長かった。

FBI長官デニスの顔色が瞬時に引きつる。彼の息子の名は“ボブ”。マイアミ在住のBBCの研究職員でもある。　

部屋に流れる静寂は銃声より重い。

廊下の窓際で、エリン・パーカーとハーディガンがこのやりとりを見届ける。

「ジーザス…ビッグバンが局に喧嘩を売った。…そして、ディレクターの息子を“スポンジ・ボブにする”と脅したぞ。私の６歳の息子が好きなキャラだ。何が面白いのか私にはさっぱりだが……。」

エリンの目が細まる。

「……あいつは、本気だわ。」

クリフハンガー（Episode 3）

ビッグバン・コーポレーション対FBI――舞台は整った。

そのはざまで翻弄されるのは――ボビーとアレックスだ。

コイツは地獄より熱いぜ。