第2話 パンッ!!

翌日、

「新一郎!!すげーな、お前、昨日の2位の陸上部のやつ東部地区で14位だったらしいぜ!」「じゃあ俺ワンチャン県大会とかも目指せるかもしれん笑笑」

「調べたらよ、お前のタイムだったら県8位らしいぜ。」

廊下から声が聞こえた

「おい!」

昨日の2位だった、陸上部のやつだった。

「確か陸上部の、、、」

「原慎也」

「よろしく俺は新一郎、綾瀬新一郎、なんのよう?」

「なんでそんな速い?陸上クラブ入ってる?」

ここでバイトのことを言うわけにはいかない

「なんも入ってないけど、、、」

そいつと話したのはそれっきりだった。

 夏休みになった、、、俺は毎日20km以上、多い日は30km走った日もあった。バイトだ。夏休みの思い出はそれっきり。家族旅行、だったり帰省だったりそんなものはなかったが、友達とは少しは遊んだ。夏休み楽しかったことといえばそれくらにだろう。

 夏休み明け2日目に社会の先生に放課後呼び出しされた。バイトがバレたか!?

そしたら俺は生きていけない、、、怖かったが呼び出された相談室のドアを開けた。

「駅伝に興味はないか」

「え、」

俺はそう言われた。考えて見れば社会の高橋先生は陸上部の顧問だった。

「今、大山中学陸上部に長距離をやっているメンバーが4人、そして中距離をやっていて長距離適性もありそうなのが1人いる。駅伝には6人必要だ。あと1人ほしい。君の体力テストの1500の結果を見たが中2でもお前より速いやつはいない。一年生でこのスピード、凄まじいぞ。ぜひ駅伝を一緒に走ってほしい。かといって今すぐここで決めるのは難しいと思う。一回親に相談してみて決めてほしい。」

「はぁ、、、」

俺は今まで何かスポーツをやったことがなかった。自分の意思で何か挑戦しようと思ったこともなかった。駅伝は一日だけだし挑戦してみてもいいかもしれない。

バイト終了後帰宅。

「ただいま!母さん、陸上部の顧問に駅伝メンバーが足りないから出てほしいって言われたんだけど、いいかな?」

「あなたはどうしたいの」

「俺は一日だけだし出てもいいかなって感じかな」

「あなたには無理させてきたし出るなとも出ろとも強制できないわ、あなたの好きなようにすればいいよ。でも出るからには絶対一位とりなよ」

「ありがとう母さん!」

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