次回!トッププレイヤー、死す(死なない)

「さて…サビリナ、これでイベントクリアだよね?」

『はい。【魔の森の僅かな異変】クリアです!おめでとうございます!』

「て、クリア報酬は?ありま…?」

『す!』

「やったぁぁぁぁぁ!報酬無かったら、今回のイベント作った人を倒しに行くところだったからよかった!」


一般通過社員:〈どうにか死なずに済んだ…〉

一般通過社員:〈てか、これで報酬何貰えんだろw〉

一般通過社員:〈確かにw〉

一般通過社員:〈ふふ……中々にちゃんとしたものですよ〉

一般通過社員:〈バラすなw!〉


ちゃんとしたもの…?

……もしかして…?


「現ナマ…?」


一般通過社員:〈 ど う し て そ う な っ た w〉

一般通過社員:〈現ナマは草w〉

一般通過社員:〈流石に現ナマはちょっと…〉

一般通過社員:〈給料そこそこ上がったでしょ!我慢しなさい!〉


「やだー!配信機材の一部にも金使うからすぐなくなるもん!」


一般通過社員:〈事実で草〉

一般通過社員:〈実際ああいうの結構金掛かるよな〉

一般通過社員:〈なお、基本FSPGでの配信のため、その、機材を使う頻度は少なめという〉


「悲しい事実を言わないで?!……で、結局報酬は何かな〜」


一般通過社員:〈このイベントの報酬は…〉

一般通過社員:〈ドゥルルルルルル…〉


『ミスリルと鋼の合金の、ミスリル鋼で作られた武器です!』


一般通過社員:〈あれ?結構いいやつだ〉

ほんとだね…


『武器種は、ロングソード、ショーテル、戦斧、バスターソード、長槍、杖、短剣、戦扇、刀、戦鎚、籠手の中から選択できます』

「結構いいやつじゃん」


一般通過社員:〈中々ちゃんとしたものって言ったじゃないですか〉

一般通過社員:〈実際そうだとは思わなかった〉

一般通過社員:〈下に同じく〉

一般通過社員:〈さらに下に同じく〉

一般通過社員:〈またさらに下に同じく〉

一般通過社員:〈あまりにも酷いw〉

一般通過社員:〈信用無いなぁ…〉


信用あるわけないでしょ…

あの難易度じゃ…

……普通に倒そうとしてたら結構な難易度だよあれ

あんなイカれた難易度のイベントをリリース前のプレイで出すやつに信用はありません


「日頃の行いだね」


一般通過社員:〈おっそうだな〉

一般通過社員:〈あなたもこの間、ブラックコーヒーって言って、砂糖ドバドバ入れた甘いカフェラテ私に飲ませたけどね〉

一般通過社員:〈不思議だね。私は、昆布茶を紅茶と言って飲まされたよ〉


「………さて、武器はどれにしようかな〜」


一般通過社員:〈おいこら〉

一般通過社員:〈逃げるな〉

一般通過社員:〈卑怯者!〉


「ひどいよ〜ちょっとしたお茶目だから…ね?」


一般通過社員:〈さて…みんな依月のこれをどう思う?〉

一般通過社員:〈ギルティ〉

一般通過社員:〈ギルティ〉

一般通過社員:〈ギルティ〉

一般通過社員:〈ギルティ〉

一般通過社員:〈ギルティ〉

一般通過社員:〈じゃ、有罪ってことで〉


えっみんなノリいいね?


「………仕方ない、普段皆にお世話になってるし迷惑もかけてるし、皆で頑張ったし…ってことで作ってた、

リリース前日がポッ○ーの日のことから、○ッキーを蝋燭に見立てた、社内で問題なく食べれる私の手作り○ッキーいちごケーキ(ホール)は無かったことに…」


一般通過社員:〈いやぁ、やっぱりちょっとしたお茶目だよね〉

一般通過社員:〈うんうん、よく考えたらそこまで酷くもないよね〉

一般通過社員:〈それに依月って可愛いなぁ〉

一般通過社員:〈………私生クリームのアレルギーある…〉


「あ、大丈夫。ちゃんとアレルギー対応のやつも作ってるから。管理栄養士の知り合いの確認のもとにね」


一般通過社員:〈ありがとう!〉

一般通過社員:〈…………あれ?スルーされた?〉

一般通過社員:〈……い、依月っていい匂いするよね!〉


「………さて、さっき媚びへつらってきた人たちの分はなし…と。これでケーキを食べる人数が減るから材料量を減らせるし、その分の材料、私がまた今度やるスイーツ作り用に置いとこ〜っと」


一般通過社員:〈すみませんでした〉

一般通過社員:〈お願いですから、それはお赦しを〉

一般通過社員:〈慈悲をください〉


「………まぁ流石にあげるけど」


一般通過社員:〈やったぁぁぁぁぁぁぁ!〉

一般通過社員:〈よっしゃぁぁぁぁぁ!〉

一般通過社員:〈ケーキ没収回避ぃぃぃ!〉


…やっぱり没収しようかな


「………はぁ…どれだけ食べたいんだか」


一般通過社員:〈疲れた社会人は甘いものと酒と酒に飢えているのだ〉

一般通過社員:〈下に同じく〉

一般通過社員:〈また下に同じく〉

一般通過社員:〈私はそれに加えて、人の温かさで〉

一般通過社員:〈おいコラ、いい雰囲気になりそうだったのに切ないこと言うな。俺まで悲しくなるだろ〉


……彼氏か彼女いないんだね…


「……ふっ。私は彼氏がいますから」


一般通過社員:〈ぁ"?〉

一般通過社員:〈やんのか?あ?〉

一般通過社員:〈……彼氏いるの?

(っ・−・)ノ🔪`〉

一般通過社員:〈あれ?なんか上の方、なんだかちょっとジメジメしてきてない?〉

一般通過社員:〈あれ…?おかしいな…嫌な予感がするぞ?〉


………やば

あの子に言ってなかった…


「……ねぇ、言ってなかったことは謝るから…ね?その包丁を収めよ?ね?」


一般通過社員:〈……………依月…彼氏さんと今度会って、駄目そうなら彼氏さんと、依月を刺し殺して、私も死ぬ〉

一般通過社員:〈あっ、やべぇ〉

一般通過社員:〈今のうちに退散を…〉


「お前ら逃げるなぁ!」


一般通過社員:〈依月…逃さないよ〉


「Noooooo!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る