どこへ行こうというのかね…?

さーて敵はどこにいるかな〜

ん?足音…

樹木操作ツリーコントロール』で木の上に登って隠れてと……


[グルルル………]

 

魔狼マナウルフ一頭…

さて……


「『魔力蔦生成』」

[キャウンッ?!]


魔力蔦で魔狼マナウルフの体を拘束してと…で…魔狼マナウルフの腹に巻き付いてる魔力蔦の先端から…


「『強風放射ウインドバースト』」


……グロっ

流石にゼロ距離『強風放射ウインドバースト』はまずかったかな…

魔狼マナウルフの腹に巻き付けた魔力蔦から撃ったから、腹が派手に打ち抜かれて、酷いことに…

こんなことしてたらレギュレーションでGつけないといけなくなりそう…

………この使い方は封印しよ


一般通過社員:〈あまりに理不尽〉

一般通過社員:〈魔狼くんがあまりにも可哀想〉

一般通過社員:〈慈悲はなかった〉


「失敬な!……もうこの使い方はしないよ」


一般通過社員:〈流石にもうやらないか〉

一般通過社員:〈よかったよかった〉

一般通過社員:〈…魔狼が犠牲になったが、被害は増えずに済んだ…〉

一般通過社員:〈魔狼の墓を立てよう…†┌┘墓└┐†〉

一般通過社員:〈草〉


「…てかさ。こんなグロい倒し方出来るようにしたのって誰?このゲームのR《レーティング》15G+のはずだけど、何してるの…?」


とある役員:〈このリリース前のこのイベントの際に指定の魔物の倒した際の演出として特別に作ってもらったんだ〉

一般通過社員:〈えっ、また偉い人が来た〉

一般通過社員:〈まじで会議しながらこの配信見てるんだ〉


……役員の人…?

何してるの…?うっかり消し忘れないよね?

このデータ消し忘れたらやばいよ?

意図的にこのデータを復元されて、悪用されたらすごいことになっちゃうよ?


「……役員さん、そして、この演出を入れた人、ぜっっっっったいにこの演出のデータ…消してくださいね?」


とある役員:〈それは安心してくれ〉

一般通過社員:〈……私もちゃんと消します〉

一般通過社員:〈あ、入れた人いる〉

一般通過社員:〈……2人でダブルチェックでもヌルい気がしてきたので、この演出データの削除したかどうかの確認は、3人で最低でもファイブチェックします。〉

一般通過社員:〈警戒心がすごい〉

一般通過社員:〈まぁでも実際データ消し忘れたらまずいよ〉

一般通過社員:〈それはそう〉


「まぁ……役員さんと入れた人を信じますよ。

…………………たぶん消しそこねたら、何人か首飛びそうだけど」


てか間違いなく、それに関わった社員は首が何人か飛ぶよね

あと会社の信用にも関わるだろうし…


一般通過社員:〈笑えなくて草も生えない〉

一般通過社員:〈首が飛ばないように頑張ります〉

一般通過社員:〈私も多少関わったし、私も確認しよ…〉


「その方がいいと思いますよ」


一般通過社員:〈ですね〉

一般通過社員:〈……他のやつ、誰か変なデータ入れてないよな?入れてるやついたら挙手しろ〉


一般通過社員:〈……………〉

一般通過社員:〈……………〉

一般通過社員:〈……………〉


「やったんだね?!入れたんだね?!」


一般通過社員:〈あっそのこれは〉

一般通過社員:〈や、役員の人に、このリリース前のイベント系で仕込んでおけと…〉

一般通過社員:〈脅されたんです…!〉

一般通過社員:〈私達は無実なんです…!〉

一般通過社員:〈責任を追求された時の言い訳の定型文で草w〉

とある役員:〈ちなみに、それでもし消し忘れたら、私達の方でも何人か辞職する気でいるよ〉


「あの?!ある意味1種のお遊びデータ入れて、それ消し忘れて、経営層の人が数名辞職とか笑えないんですけど?!」


とある役員:〈だからそうならないことを願っているよ…〉

一般通過社員:〈………おかしいなこのデータの件に関係がないはずなのに胃が痛いぞ?〉

一般通過社員:〈不思議ね。私もよ…〉

一般通過社員:〈ハハッ…誰が胃薬持ってないですか…?〉

一般通過社員:〈………死ぬ気で確認して確実に今回の演出データは消します〉


「それがいいでしょうね…さて…そろそろ私も再開しますか」


………そろそろ魔物を仕留めていかないとね


「『身体強化』『強風放射ウインドバースト』」


一般通過社員:〈木が吹き飛んだ…〉

一般通過社員:〈…もうちょっと普通に探そ?〉


「効率大事、効率大事」


…お、ちょうどよく、ずいぶんと不自然に開けたエリアが…

ふふっ…

そんなにもあからさまな罠…


飛び込むに決まってるよね!

身体強化でこのまま一気に落下して…!

さて…やっぱり着地と同時に気配がいっぱい…


「さぁおいで、魔物たち。…全部ぶっ殺してあげる」


一般通過社員:〈ヒエッ…〉

一般通過社員:〈なんで罠だと分かって飛び込むの…?〉

一般通過社員:〈この人は狂ったゲーマーですから…〉


「…誰が狂ったゲーマーって?」


一般通過社員:〈ナンデモゴザイマセン〉

一般通過社員:〈草ww〉


「さ……『魔力蔦生成』『風球ウインドボール』『強風放射ウインドバースト』」


私の周りに『風球ウインドボール』と『強風放射ウインドバースト』を起動させずに配置して、私から離れたところから私を中心に円状に魔力蔦を隠蔽配置して、魔物が通ったら作動するようにしてと…


「さぁ、皆さんご一緒に!」


一般通過社員:〈フルバーストォ!〉

一般通過社員:〈お前たちは…死ね!〉

一般通過社員:〈始めるか…俺の自爆ショー〉

一般通過社員:〈乱れ撃つぜぇ!〉

一般通過社員:〈外しはしない…!〉

一般通過社員:〈ソロ○ンよ!私は帰ってきたぁ!〉

一般通過社員:〈シェルターは完璧なんだな?…破壊する〉

一般通過社員:〈おい!なんかガノタ多いぞ?!〉

一般通過社員:〈うるせぇ!ト○ンザム!〉

一般通過社員:〈てか、さらっと返答聞かないヒ○ロいたぞ?!〉

一般通過社員:〈……了解した。破壊する〉

一般通過社員:〈脳筋ヒ○ロかよ!〉


あ〜もうめちゃくちゃだよ


「……さて…とりあえず…これで規定数以上殺せたかな?」


一般通過社員:〈たぶん行けたんじゃね?〉

一般通過社員:〈大丈夫じゃない?〉


「サビリナ、どう?」

『…あとは…一角兎ホーンラビットが一匹…ですね』

「……………fa○k」


一般通過社員:〈あーいけません!〉

一般通過社員:〈アウト発言で草w〉

一般通過社員:〈流石にキレるのが速いw〉


だってあれで仕留めきれないとか何?

はぁ………

……おや?


「あんなところに…さっき『風球ウインドボール』を乱射して、木々を倒した所に…一角兎がいますねぇ…!」


一般通過社員:〈あっ逃げ〉


「『強風放射ウインドバースト』!」

[キュ?!キューッ!]

「どこへ行こうというのかね!『風球ウインドボール』ッ!」


風球ウインドボール』を逃げようとする一角兎ホーンラビットに乱射…!

相手は死ぬ!


一般通過社員:〈……〉

一般通過社員:〈……〉

一般通過社員:〈……オーバーキルじゃん…〉


…確かに『風球ウインドボール』を乱射したせいで、小さな一角兎ホーンラビットが『風球ウインドボール』でお手玉のように飛ばされ回るエグい絵面になっちゃったけど………


「…………ふぅ……スッキリした!」


一般通過社員:〈ヒエッ〉

一般通過社員:〈怖っ…〉

一般通過社員:〈これが恐怖映像か…〉


「なにか言った?」


一般通過社員:〈いえなんでも〉

一般通過社員:〈いえなんでも〉

一般通過社員:〈いえなんでも〉

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る