運命の始まり

「困惑しているだろうが、理由を説明しておこうか」


アッハイ


「端的に言うと、君のお父さん、依月鳴神いずきなるかさんが教えてくれてね」


お父さんー?!

アレ言わないでって言ったじゃん!


「それを聞いて、君の配信していた頃のチャンネルのアーカイブを見させてもらってね」


いーやぁぁぁぁぁぁ!

アレ見たの?!

部門統括長が?!


「俺も見たぞ」


Oh no!


「なんなら君がこの役目に着くための許可を得る会議の際に明柄はるつか社長も見てるね」


Nooooooooo!!


「ついでに言っとくと、今頃、全社員に連絡が言ってる頃だな」


もう逃げれなくない?!

しかもアレ全員に見られたの?!

終わった!

……待てよ。

広告塔ってまさか…


「あ…あの…広告塔って…もしかして…?」


「うん。予想通りだと思うけど、君には、もう一度配信者として活動してもらうよ」


oh…no……


「ちなみに今回はうちの会社所属の配信者だからスポンサー付きになるし、普通にスーパーチャットももらえて、給与もあがるぞ」


………それで上がらなかったら私この会社辞めますけど?


「…所で…あの…アーカイブを見た際の皆様の反応は…」


そ…そこが一番気になる…!


「まぁ…私の見解として一言言わせてもらえば…

実に面白くて、静かな会議が爆笑で包まれたね。

あそこまで会議で笑ったのは実に久しぶりだ。」

うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!

(動揺のあまり猫化)

……笑っちゃいましたか…

そうですか……………


「もう分かっているだろうが決定事項だ。

君の決定権がないことに関しては本当に謝罪する。

本当に申し訳ない」


「俺からも。本当に申し訳ない」


あえっ?!


「か、顔を上げてくだしゃい」


噛んだ…!

あぅぅぅぅ……

……はっ…ず……っ………!!!!!


「ふふっ」


「ふふ…ふ…」


「「あーっハッハッハッ!」」


はえ?


「いや〜やはり君を選んで正解だったね。

最初からの反応を通して実に面白い!」


「普通あそこで噛むか?!依月w!笑いに愛されてるなぁ!お前は…っwww!」


……やっぱり笑いを生みまくるあの配信が受けてたんだ…まぁわかってたけどね?

会議が爆笑で包まれるって時点でね…

ははっ…結果的に仕事増えんじゃん…私…

…サポートはしてくれるだろうけどね…?

……ははっ………

…………ん?


「…すみません、ふと思ったのですが…」


「んw?何かなw」


…そろそろ笑いをこらえてください


「管理者…と言っていましたが、一体それはどうして…?」


私、流石にアレを全部カバーは死にますよ…?


「あぁそれに関しては、簡単だよ。

詳しく言えば、FSPG内の管理者…と言ったほうが正しいかな?」


……?????


「まぁよくわからないだろうね。そこで簡単に説明すると、君にはまず基本長時間、FSPGにて、重大な問題行動が起きてないか監視してほしいんだ。


……というのは建前で」


…ん?


「本当の目的は、このゲーム…

いや、このFSPGファンタジースターピースガーデンというゲームを間違った方向に向かわせないでほしいんだ。」


………あ、そっか。

このゲームは本当に何でもできるから…

禁止行為に手を染める者もいるだろう…っていうこと…?


「そのためにも権力がいる。

よって君には、FSPG内での問題を直接対処できる、FSPG内の管理者という権限を与えることに決めたんだ」


………そういうことかぁ…


「……わかりました。」 


「で、念の為、確認だが、この仕事…引き受けてくれるかな?」


当然回答はただひとつ…


「喜んで拝命致します」




そして、これから私の、

依月メナのもう一つの運命が幕を開けた。

伝説の配信者にして究極の管理者

そして、現実世界に発生した奇跡の象徴としての…

その事をこの時の私はまだ知らなかった。

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