そのトッププレイヤー管理者兼配信者につき要注意

運命の因果の幕開け

プロローグ

世界初のフルダイブ型VRMMO、

FSPG、ファンタジースターピースガーデンの発売まであと3週間を切っていた。

そして私…

依月メナは、FSPRを販売、運営する

アスタ株式会社のVRMMO部門所属社員として…

………ここ数日家に帰れてないほど仕事に追われていた。

「あ、ここの箇所のバグ修正お願い！」

「わかりました！」

私は、同僚へβテストプレイヤーから送られてきたバグ情報を伝えると同時にβテストプレイヤーの動向を見ながら、バグ処理をしていた。

あーもう…！

バグ処理が報告に追いつかない！

βテストプレイヤーの方々は流石…

こちらで選別に選別を重ねただけあるけど、流石にバグを見つけるのが早いんだけど…！

ちょっと早すぎ！

処理が追いつかないよ？！

こっちも相当な人数と、バグ処理に慣れた精鋭を総動員してるけど…！

…新着のメッセージって…まさか…

「武器コードRSEX791を入手して試し振りしてたらエフェクトにバグ発見」

はいやっぱりバグ報告です

はいクソー。

てか、武器コードRSEX791ってことは、

蓮音（はすね）ちゃんの担当してたやつか〜、

とりあえず私の方で対応したいとこだけど多すぎるし、

伝達しとこ…

えーと…

武器コードRSEX791、使用時のEFB《エフェクトバグ》発見対処可能な方は対処お願いします…

…っと、

臨時の連携グループに送信っ！

さて…これも早く終わらせないと…

………なんだか私思ったより疲れてきてるみたい、

一気に5個も…

新着のバグ報告メッセージが…！

あーもう！

―――――2時間後―――――

真っ白に…

燃え尽きたよ……

「……依月、部長がお呼びだ」

そう声を掛けてきたのは、VRMMO部門の臨時バグ処理チームリーダー尾浦晴（おうらはる）さん…

「……へ？」

…つい間抜けな声出ちゃったけど…

え？

うちの部長が私に用?

………可能性は色々思い浮かぶけど、呼ぶ理由がはっきりとは思いつかない…

一体何の要件なんだろ…

そう思いながら、尾浦さんに付いていき、部長が待っているという第8会議室に案内されたけど……

…………え？

…っ！

早く頭を下げないと！

「ぶ…VRMMO部門…

臨時バグ処理チーム所属依月メナです！

こ…今回はどういったご要件でしょうか！」

なぜ…部長だけでなく部門統括長が…？！

うちの会社には、ゲームの媒体や機器、その中の細かな内容事に部門があったりするけど…

なんで、それを全部統括する統括部門の部長が…？！

社長の下の下くらいの権力の方が…？！

え？

マジで私なにかしたかな？！

身に覚えないよ？！

「とりあえず頭を上げてくれ」

ぶ…部長！

正直このまま頭を下げていたいくらいです！

すっごい不敬だけど！

流石に上げるけど!

「は、はい！」

緊張と何を言われるかの恐怖で潰れそうだよ〜！

「…依月メナ」

「は…はいっ！」

い…一体どんな事を…？！

「君には…」

ご…ゴクリ…

「FSPGのリードプレイヤーになってもらいたい」

………はえ？

「………り…リードプレイヤーとは一体どういうことでしょうか…？」

た…たぶん意味合い的には、ゲームを…FSGを引っ張っていくプレイヤーって事だろうけど、なんで私に？！

「君は…かつて配信者として活動していただろう？

「……え？」

なんでその事がバレたの…？

「その経歴を持つ君に

このゲームを引っ張っていくプレイヤー兼広告塔…

そして、FSPGの管理者になってもらいたいのだ」

…………………え？