秘密
とりあえず、二人の気持ちを知ってしまった以上は、いや三人か…
…
どうにかしないとなんだよねー…。
観覧車から降りて四人が集まった。
「じゃ、帰ろっか」
カズの号令で皆が頷いた。
これは…
複雑すぎるだろ。
雑炊なのに米がないくらい複雑だ…
どうしたら、雑炊が…って、今は雑炊なんてどうでもいい。
この関係をどうするかだ。
瑠美姫が、暴走しなきゃいいけど…
もしくは、カズが…
色々考え過ぎて、なぜか脳みそがカラカラだ。
ゴクゴクと水を流し込んだ。
「そんなに水飲むと、トイレ行きたくなるよ?」
と、アリスがアドバイスしてくれた。
が、そんなアリスもジュースをめっちゃ飲んでいた。
…
電車が来るまでに、オレはトイレに行くことにした。
「ちょっとオレ、トイレに行ってくるわ」
すると、すかさずアリスも
「わたしもー」
って言い出した。
えっ?
カズと瑠美姫…二人きりにして大丈夫かな?
戻ってきたら、二人が手を繋いでたりしないよね?
ねぇ?
「あー…カズもトイレ行く?」
とりあえず誘ってみた。
「ううん、大丈夫」
あっさりお断りされてしまった。
なので、急いでトイレ行って戻ってきた。
…
慌ててカズと瑠美姫をみると、手は繋いでいなかった。
ホッ
安心して、電車に乗ることができた。
カズとアリスは、お互い好き同士なのに…
オレが壁になってしまっている。
これは、非常にもったいないことなのだ。
納豆なのに、全然ネバネバしない…
それくらい残念なことだ。
新芽に太陽の光を当てつつ、水をやらない。
オレは、今それをしている気がする…
おバカなオレは、帰り道アリスにきちんと伝えようと思う。
カズと瑠美姫は、途中でバイバイになった。
オレはアリスと家が近いから、ここできちんと話すことにした。
二人きり…
オレは、やっとアリスが好きだと気づいたのに…
まぁ…
いまさらだ…ね。
「今日楽しかったねー」
「うん。」
「舜も、もっと絶叫系乗ればよかったのに」
「あー、それは大丈夫そう。それでさ…あのさ、アリス」
「なに?」
「あの、オレたちって付き合ってるフリしてるでしょ」
「うん」
「あれ、解消した方がいいと思うんだ」
「あー…そう…だよね。ごめんね、今まで気をつかわせてさ」
「ううん。気なんかつかってないよ。ただ…さ…」
「舜は、好きな人いるもんね。両思いなんでしょ?」
「えっ?オレ?」
「うん。いつも楽しそうだし、好きなんだろうなって…」
「いや、オレはあれだけど…アリスこそ両思いでしょ。だから、フリなんかしなくてもねぇ…」
「わたし?わたしは…フラれたし」
「は?カズアリスのことふったの?」
「カズ?」
「え、だって…カズのこと好きなんだよね?迷路のところでずっとカズみてたし。」
「あれは、カズの首のところみてたんだ。ホクロだ。こんなとこにホクロあったんだってさ」
…
「ホクロ?それだけ⁉︎」
「うん。わたしとカズは、ね…両思いじゃないよ。だってわたしは、舜がずっと好きだったし…。まぁ、舜はわたしなんか全然好きじゃないって前からわかってたよ」
⁉︎
えっ⁉︎
「な、なに⁉︎オレ?オレのこと好きって言った⁉︎」
「うん」
…
え、色々追いつかない…
アリスがオレを好きだと?
「わたし、ウソでも嬉しかった。舜は、瑠美が好きなんでしょ。おめでとう」
⁉︎
「えっ⁉︎瑠美姫?好きじゃないけど」
「そ、そうなの?」
「うん。オレはアリスが好きだ」
…
アリスは、固まった。
固まりながら、嬉しいと呟いた。
なので、オレは魔法を解いてあげることにした。
チュってね♡
「えっ…」
「魔法、解けた?」
「あ、うん。たぶん…」
「なら、完全にとかしてあげるな。」
チュ〜♡
オレは、魔法使いになった。
でも…アリスは魔法使いじゃなくて、お医者さまだとオレにいう。
なぜかというと、アリスは逆流性食道炎になりかけていたからだ。
それをオレは見抜いていたのだ。
だから、ゆっくり噛んで食べな?とか、お腹冷やさないようにカイロ貼りなとか言っていたのだ。
あと、ストレスね。
よく、告白されていて注目されていたんですよ、アリスは。だから、そのストレス軽減のためにオレは、彼氏のフリしたんだけど…
結果オーライでした。
悪化すると、取り返しがつかないのだ。
アリスの秘密とは、病気予備軍だったのだ。
数日後、瑠美姫とカズも付き合いだした。
また、四人で遊園地行こうねって話が浮上した。
…
それは…
やっぱり…カップルペアになるんじゃ…
オレと瑠美姫は、苦笑いするのでありました。
おしまい♡
幼馴染の秘密が暴走しないようにオレは付き合っているフリをいたします… 猫の集会 @2066-
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます