第7話
俺たちの旅の一番の目的は、死竜が世界のあちこちに現れて、人々に危険を及ぼすため、その根源となる者を突き止めて排除するという任務だ。なんだか、任務が多すぎる。いくら五人いるからって…。俺は溜め息をついて、天を仰いだ。
俺に、何ができるんだか…。
*
深夜12時を回った。
焚き火を囲み、真ん中に果物を10から15個くらいを供えて、みんなで輪を作るように地面に腰を下ろして手を繋ぎ、目を閉じていた。
トモは、小さな声で呪文を唱えている。セルとギターも目を閉じて、祈りを集中させているようだ。俺は片目だけチラッと開けて、みんなを見回してみた。こういう儀式って、苦手なんだよな。すぐ眠くなる。なんて思って思わずあくびをすると、そこで何か、フワリと冷たい風が頬を撫でて、俺は夜空を見上げた。
ふと、コールも何かを感じて目を開けて空を見上げると、輪の中の焚き火の炎がフッと消えた。トモは何かを感じて呪文をやめ、息をひそめて夜空を見上げた。すると、空の空間に突然閃光を見て、コールは夜空を見つめたまま、急いで立ち上がり腰の巾着から魔石を取り出して、胸の前でぎゅっと握り締めた。
「飛べ!」
コールが短く呟くと、コールの体は空へと一直線に浮かんで高く飛んでいった。
「コール?!」
セルとギターも目を開けて、みんなは手を離し、立ち上がってコールを見上げた。すると、閃光の割れ目から、人が落ちて来た。
「誰か、現れた!」
と俺が言うと、セルたちも目を細めて落ちてくる人を見つめた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます