第四話《エデンズ・グラビティ入学&入国試験開始》

ドラグ「あっ!見えてきた!あれがダンジョンだねー!地面は割れてないから大丈夫みたい」

アテナ「どこですの?私には見えませんわ……《千里眼》!あっ本当ですわぁー。ダンジョン前で地割れは無いみたいですわね!」

シャル「ちょっ!アテナ様なんで千里眼使ってるんですかー!?一日十回までしか使えないのにー!」

アテナ「確認の為ですわ!あと九回は使えるので問題ありませんわ!」

シャル「まったくー!(ドラグに手の内見せてどうするんですか!この人は〜!って制限言ったのは私ですね。ついうっかりですにゃ)」

ドラグ「あれー?なんか人が居る?三人……いや、四人だ!たぶん試験官だね!アテナさんは千里眼使わなくて大丈夫だよー。ボクが確認してるから!」

アテナ「はい!承知しましたわ!(ドラグ様が私に配慮してくれましたわ〜!)」


話しているうちにダンジョン前に到着した三人。

ドラグ「二人とも衝撃に備えてねー」

アテナ「承知しましたわ」

シャル「はいにゃ!」


ズズウウウウン!鈍い音と共にドラグはダンジョンの前に着地する。アテナとシャルロッテはドラグの背中からすぐに降りた。


アテナ「ドラグ様!助かりましたわ!」

ドラグ「いやぁーボクの方こそ助かったよ。ノコノコとボクについて来てくれて……」

アテナ「?」

シャル「あっ、アテナ様!危ないっ!」


突如ドラグが、ドラグの尻尾がアテナを襲う……しかし咄嗟にシャルロッテはアテナ庇う。ドシュッ!ドラグの尻尾がシャルのシャルの脇腹を掠る。


シャル「カハッ……!ううっ……」

アテナ「なっ、シャル!大丈夫ですの!?ドラグ様なんでっ!!どうして!」

シャル「に、逃げて下さい……アテナ様」

アテナ「貴女を置いて逃げられるわけ無いでしょう!?」

ドラグ「いやー、実はボクも竜人族の長老から"君達を殺せ"と命令されてるんだよねー」

アテナ「……一体どういうことですの?」

ドラグ「ボクが答える義理は無いよー。なぜなら君達はここで死ぬからね〜!」

シャル「くっ、やはり竜化している時に仕掛けるべきでしたか。(マズいですね。私だけならともかくアテナ様だけでは、この男からは逃げ切れない。かと言って私は《猫化》を使えない!使いたくない!)」

アテナ「そうですわ……人!さっきまで人が四人居たって言ってませんでしたか!?」

ドラグ「それはボクの嘘だよ。人なんて一人もいない。さっきボクが二回目の千里眼を使わせなかったのはその為ー。そして、このボクが君達の試験官さ。」

アテナ・シャル「なっ!?」

シャル「ドラグが私達の試験官ってどういう事ですか!?」


シャルロッテは先ほどの攻撃のダメージをまだ引きずりながら苦しそうに聞く。


ドラグ「うーん、それじゃー手っ取り早く試験内容を伝えるねー!"二人がかりでボクと戦ってボクに参った"って言わせれば君達の勝ちー!さぁどうするー?」

アテナ「う、受けて立ちますわ!それがたとえ一目惚れした相手でも……!」

シャル「アテナ様!お逃げください!奴は私とアテナ様二人がかりでも無理です!(んっ?ドラグに一目惚れしてた!?)」

アテナ「はぁ……シャル、貴女はそこで休んでなさい?私は怒ってますのよ?私達を騙したドラグ様、逃げ腰のシャルロッテ。貴方達二人に!そして……大事な付き人を守れなかった私自身に!!!」

ドラグ「へぇー?カッコいいねー!君一人でボクと戦うんだー。でも、無理だと思うよー?(えっ?この娘、ボクに惚れてたの?)」

アテナ「そんなのやってみないと分かりませんわ!」

ドラグ「えーと、じゃあー……エデンズ・グラビティ入学・入国試験、開始ー!(惚れてたのは想定外だなー。そうだ!ボクの鱗の一枚でも剥がせたら合格で!ボクも彼女達を殺す気は"まだ無い"からねー)」


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