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 スヴェイズがエイルの寝室から出ると、そこには高年の男を筆頭に様々な年齢の男女が集まっていた。

 高年の男が口を開く。


、父は?」


「エイルなら息を引き取った。すまない、最後の時をふたりで過ごしてしまって」


 謝罪の言葉を口にすると、中年の女が励ますように言う。


「謝らないで。それがエイルおじいさまの望みだったのよ。……さぁあなた達、エイルおじいさまに最後のお別れをしましょう」


 女は少女と少年の手を引いてエイルの寝室へ入って行こうとするが、スヴェイズを見上げた少女が不思議そうな声をだす。


、どうしてないていらっしゃるの? さみしくていらっしゃるのかしら? なかないで、レギンレイヴがいっしょにいてなぐさめてあげますわ」


 スヴェイズは少女に微笑みかけ、抱き上げる。


「レギンレイヴは優しいね。でもおれは大丈夫だよ。おれにはエイルが遺してくれた皆がいるから寂しくない。ひとりじゃない。ああ、なんておれは幸せものなんだろうか」

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