13


 ジジイと言われてしまったことにめそめそしながらスヴェイズがエイル特製の朝食を食べていると、食事を作った張本人はキッチンの戸棚を開けたり閉めたりして何やら忙しそうにしていた。


「調味料が少なくなってきてるな、買い足さないと。小麦も欲しいから今日はリヤカーを引いていくか」


「……街へ、行くの?」


 不安げにスヴェイズが問いかけると、エイルは何でもないように答える。


「ああ、そうだよ。なんだよ、いつものことだろ」


 エイルは13歳になると月に一度ひとりで街まで買い物へ出かけるようになった。買い物をするだけでなくふたりで調合した薬を売ったりもしている。


「それはそうだけど……その、気をつけて。きみの髪と目の色は珍しいから。それにおれと一緒に暮らしているのがバレたら、きっとエイルも……、」


 スヴェイズは石を投げられ、追われ、母親共々この森の奥へと逃れて来た。それ以外の辛い記憶も思い出してふるえる。

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