第7話 隠れて居ますね。
ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!
連続で鳴り続けるインターホン。ゆずりが外でインターホンスイッチを連打している。早く開けて中に居れなさいって事かな?
「……お客様ですね。お出迎えしないといけませんね。刀也様。私お客様をお出迎えに行って参ります」
藤乃さんはそう言うとソファーから立ち上がって、玄関の方へと向かおうと歩き始めたんだけど。
それは僕と藤乃さんの関係をゆずりに知られてしまう為、行かせるわけにはいかない。
藤乃さんがゆずりに見つからないように
「わー! 待って!待って! 藤乃さん。隠れて。お願いだから
「隠れるですか……何故です? 刀也様のお客様ならばメイドの私がお出迎えしなくてはいけません」
なんでそんなに張り切ってるのさ。
「いやいや。今、玄関に居るのは僕の幼馴染みの
「刀也様との秘密関係……良い響きですね」
「なんで感動してるのさ。それよりも藤乃さんはゆずりに見つからない様に何処かに隠れていてね。置くの空き部屋でも良いからさ。ゆずりが帰るまでの間で良いからさ。じゃあ僕は玄関に行って来るからよろしくね」
「あの。刀也様……私は」
ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!
藤乃さんが何か僕に言いかけていたけど。ゆずりが鳴らすインターホンの音のせいで聞こえなかった。
「隠れるですか?……刀也様の部屋に隠れないといけませんね」
◇
僕は玄関に着くと急いで玄関扉のロックを外して、扉を開けた。
「ヤッホー! こんばんは~! 刀也。こんな遅くにごめんね~!」
「……ゆずり。なんでこんな時間に来たのさ」
「ん~? 刀也に会いたくなって来ちゃったかな~! なっちゃってさぁ~!」
「エヘヘってじゃないよ。女の子がこんな夜に1人で出歩いてたら危ないよ」
「そうだね。じゃあ今晩は刀也の家に泊まらせてもらおうかな~? 良いよね? 刀也。こんな遅い時間だしね?」
ド、ドアノブにち、力が入ってる……このパターン。藤乃さんっと同じパターンじゃないか。
「いやいや。手ぶらじゃん。駄目でしょ。今日はもう遅いし帰りなよ。それにゆずりと夜一緒に過ごすなんて高校に上がってまだ1回もないじゃないか」
「じゃあ。今日は刀也と記念すべき初夜だね。良い思い出になるじゃん。やっちゃおうよ」
「何をやる気なんだよ。それよりも星宮さんの所まで送って行ってあげるから、帰りなよ。ゆずり」
「え~! それは嫌かな~! 刀也とお茶をしてからじゃないと帰れないよっ!」
ガコンッ!
「どわぁ! 力づくで押し開けられた?!」
「お邪魔します~! 良いよね? 刀也。この家には今、刀也しなか居ないんだもんね」
「いや。ちょっと! 待った! ゆずり~!」
ゆずりは僕が
「………
「さっきまで
「彰君?……彰君ってたしか今日は彼女さんとデートの予定があるって言ってなかった?」
「へ? い、いや。なんかデートが中止になったから、家に遊びに来たいって連絡が来てさ。それで1時間前まで家で遊んでたんだ。アハハ」
我ながら苦しい言い訳だよ。こんな言い訳ゆずりにすぐにバレる可能性が……
「ふ~ん。男の子の彰君が金木犀の香水を付けて男の子の刀也の家に遊びにね……ちょっと。刀也の部屋に入れさせてもらうから!」
「は? ゆずり。また勝手なことを……ちょっと!」
ゆずりの奴。幼馴染みの家だからって、自分勝手に動いてさあ。久しぶりにお仕置きしてあげないといけないかな?
ガチャッ!
「ここにあの女の子を隠してわけ?……居ない」
ガタッ!
「隣の部屋から?!」
ガチャッ!
「ここにあの謎のメイドさんを隠してるの?……居ない?」
「いや。だから誰も居ないってば。今日はもう夜遅いから早く帰りなよ。ゆずり」
「………嘘? 本当に誰も居ないの? そんなわけないと思ったんだけどな~……私の感外れた?」
「そうそう。外れだよ外れだから。今日は早く帰って……」
ガタッ!
「?! 今度は玄関から? 刀也。やっぱり女の子を隠れさせてたの?」
「いや。だから最初から誰も居ないって……」
ガチャッ……バタバタ!!
「ま、待って! 貴女! 刀也とどんな関係なの? 待ちなさい~!」
「ゆずり?! ちょっと待った!」
まさかゆずりを外に出させる為に藤乃さんが外に行ったのかな?
「……藤乃さん。居る?」
「はい、刀也様。ここに居ます」
ガチャッ!
「どはぁ?! 僕の部屋のクローゼットの中に隠れて居たの?」
「はい。ずっと居ましたけど。それがどうなされたのですか?」
……?……いやいや。それじゃあ。さっきまでのガタッ!とか言う音はいったい誰だったの?
いったい、ゆずりは誰を追いかけて行ったのさ。ゆずりを追いかけないと。嫌でも藤乃さんをここに1人で置いていけない……
「ごめん。藤乃さん。ゆずりが心配だから追いかけたいんだ。一緒に付いて来てくれる?」
「一緒に?……はい喜んで付いていきます。刀也様の行く場所ならどこにでも行けます」
なんで凄い良い笑顔なんだろう。いやいや、今はそんな事を気にしている場合じゃないや。
「行こう! 藤乃さん」
「はい」
僕は藤乃さんと家から出ると玄関の鍵を掛けて、ゆずりを追いかけた。
◇
「遠いし暗くて誰なのか分からないけど。刀也が連れ込んだ女の子ね。捕まえて、刀也との関係を洗いざらい話してもらわなくちゃ!」
「ニャオ~ン!」
「捕まえた~! この泥棒猫! 貴女、刀也とどんな関係なの? 私は刀也の幼馴染みで将来の……」
「ニャン?」
「……猫ちゃん?」
「ゆずり! こんな夜遅くに1人で外に出るよ!」
良かった。ゆずりとの距離があんまり離れていなかったから直ぐに追い付けた。
「…ハァ……ハァハァ……ハァハァ……です」
「……藤乃さん。もう息切れしたの?」
「い、いえ。私は運動は得意な方です。刀也様」
「刀也様?……この声?
「ニャン?」
「はい。星宮さん。こんにちは」
「うん。こんばんはだね…………は? なんで紫陽花ちゃんがメイド服を着て刀也と一緒に居るの? えええ!!」
………結局。ゆずりに藤乃さんと事はバレちゃった。これからどうしよう。色々と。
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