道端で拾ったメイドは同級生!? ご奉仕ラブコメ始めました。
冰藍雷夏『旧名は雷電』
第1話 秘密のメイドは同級生
「………メイドさんが倒れてる」
────道端には出会いがある。メイド服を着た同級生との出会いが。
そう。この僕、
「……あの大丈夫ですか?
危ないもの、変なものにはあまり関わない。人生はノーリスク高リターンが一番望ましいと僕は思うよ。
でもやっぱりさ。道端に人が倒れていたら助けないわけにはいかないよね。
「………! その声は私がお仕えし、ご奉仕すべきご主人様ですか?」
何を言っているんだろうね? このメイドさんは………ていうかこの声はまさか?
「えっと。何してんの?
「はい。メイド服を着て道端に倒れてました。ご主人様」
「いや、違うよ。僕と君は同じ高校、
「またまたご冗談を……ご主人様。お会いしたかったです」
「うん。数十分前に教室で帰りの挨拶をすましたばかりだよね。僕達」
学校ではミステリアスで寡黙な雰囲気を持つ同級生。がメイドさん姿で道端に落ちているなんて思いもしなかった。
「……これも何かの運命ですね。ご奉仕致します。ご主人様」
何で丁寧語? 学校だと普通の喋り方なんだけど。どうしちゃったんだろうね? 倒れた時に頭でも打って可笑しくなっちゃったかな?
「いや良いよ別に。
よく分からないけど。この雰囲気のイベントは関わっちゃいけないイベントだね。恋愛系のソシャゲにも良くあるハニートラップで……
「お待ち下さいませ。ご主人様。私を置いて行かれては困ります」
ビリビリビリビリ!!
「な、何してくれてんの?
「も、申し訳ありません。ご主人様。つ、つい
「これは……不味いかな。直ぐに家に帰らないと。藤乃さん。Yシャツ弁償できる?」
質問したら何だかめんどくさい事に巻き込まれると思ったけど。
Yシャツだってただじゃない。僕の両親が
「えっと……無一文です」
「え? 何で? 家に帰ればご両親とか居るでしょう? 何かあったの?」
「はい。今日、家に帰ったら、家族は誰も居ませんでした。家も売り物件になっていて入れなくなっていましたし。家具も一切ありませんでした」
とんでもない爆弾発言がどんどん出てくるたけど。あれ?
「家族からの置き手紙ではこのように書かれていました」
「どれどれ?」
『父さんの会社が倒産して借金ができたから、
メイド服と
なので住み込みで暮らせる生きられる場所を探して、どうにか数年は自力で生きてくれ。ああ、高校卒業までの学費は既に払ってあるから。これまで通り学校には通えるから安心してくる。PS頼りないパパより。済まない
「……蟹漁業の蟹漁業って、ヤバいやつじゃん。絶対にヤバいやつじゃんこれ」
「はい。家の庭で争った形跡と血痕の後が散乱していました」
「ヤバイ! やつじゃん。警察に……」
「というのは冗談です。会社が潰れてしまったので、お父様達は資金調達に蟹漁船に乗りました。家は賃貸で貸し出すだけです」
「なんだ。そうなの……良かった本気で心配しちゃったよ。僕」
「ご主人様はお優しいですね」
「あれ? それじゃあ。
しまった。この質問はエヌジーだった。こんな質問をしないでさっさとこの場から去れば良かったと、発言した後に気づいちゃったよ。
「………行く場所が無いので雇って下さい。ご主人様。メイド
ビリビリビリビリ!!
「ちょっ! 僕のYシャツ切れてる切れてるって!!」
万力の力を込めての決意表明だったのかな?
普段はクールでミステリアスな
しかし、いきなり貴方のメイドになりますとか言われたけど……何でいきなりこうなってんの?
僕はただ道端に倒れていたメイド服の同級生に話しかけただけなのにさ~!
◇
第1話を最後まで読んで頂きありがとうございます。
続きが気になる!っと思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビュー、作者フォロー等々をして頂けると嬉しいです。
◇
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