第20話 ガーランドダンジョン Ⅶ

10階層へ行く前になんとボス部屋が!

これは資料に書いて無い?

でもこの扉は確かにボス部屋!


「ボス部屋が有るなんてね┅」

「どこにも書いて無いわね、急に現れたのかしら?」

「不思議ですね?」

「ボスって言うからには強い魔物なの?」

「この階層ボスなのよ、オーガジェネラルかキングね」

「でもそんなの今まで出てないわよ」

「普通ならジェネラル辺りが混じるけど出な無かったしぃ

でもボス部屋が現れたのはきっとあの5階層毎のレアかも?」

「ああ!じゃあ私達は運が良いから出現したとか?」

「きっと宝箱が出るわよ、これはレアなのよ」


「では仕留めて宝箱をゲットしましょう!」

「 「 「 おおう! 」 」 」


ギギギィ!ガァァア!


「真っ暗!」

「全員入ったら明るくなるわ、そして扉は閉まり倒さないと出られないのがボス部屋よ」

「なにが出るの?」

「オーガは間違い無いから」


ギシャア!ガァァアウ!


オーガキング!ですって!

そしてジェネラルが3体!ククク

これは10階層のボスじゃ無いわ!

20階層の間違いね♪

でも!コイツは経験値高いわよ!

ミロちゃん行けぇ!


「はっ?私ですか!あの狂暴なのに?そして3体もいますって!」

「良いの!良いの!さぁ!レーザーでチャッチャッと始末しなさい!」

「ううっ!もう!昨日まで魔物と戦って来なかった私ですよ!

それがなんでオーガのキングとなんですか!」

「そんなの問題無いから!殺るか殺られるかよ!

アイツの睾丸はそりゃあ高い!貴族がとても欲しがるタマタマなのよ!」


「じゃあその玉ならミコの精力剤が良い物になるんですね!

殺します!」レーザーショット!


おらぁ!ジェネラル!ミロちゃんの邪魔すんなや!ボケェ!


スパーン!┅ゴロン┅ポワ~ン


レーザーショット!レーザーショット!はぁはぁ┅┅


「凄い!ミロ!見て!睾丸がポロポロと落ちたわよ!」

「殺したのね!ああ!頭に声が!」

「世界の言葉よ、レベルアップしたのね」

「うん!そしてなんか言ってます」

「スキルを獲得したのよ」

「┅┅┅光魔法?属性が5ですって!そして神聖魔法が着いた・・ってぇ┅┅┅」バタン


ふぅ~神聖魔法遅い!やはりレベル30で着いたわね

神聖魔法が着いたなら聖属性も獲得してるわね

聖女らしくなったわ┅┅


20階層からアンデッド階層┅

私1人で行って転移陣を使える様にしようかしらね


隠蔽するけど聖女としての能力は成長させるから

そして聖淑女へ昇格する素質は有るのよ

アンデッド階層で神聖魔法と聖属性魔法を鍛えるわよ・・・フフ



宝箱はまぁまぁの品をゲット!

オーガの剣、オーガの鎧、オーガの盾それと魔法書┅聖属性って

これはアイツが仕組んだわね┅


女神なの!アイツが見てるのね!

こんな偶然は無いから!ふん!


聖属性の魔法書なんて買えば白金貨何10枚もするわよ!

普通の冒険者は必要無いからね!

それに出るならアンデッド階層でしょうが!

そんなのも分からないかな?


阿保女神!アホ!アホ!策に溺れる能無し女神!ハハハ!

悔しかったら聖淑女にしなさいよ!

ミロちゃんは真っ白な魂なのよ!

天涯孤独にしたのもアンタでしょうが!

聖女のステータスで教会が知らない筈が無いの!この間抜け!


ドロドロドロ~ン!

〖聖女ミロは聖淑女へ昇華しました

特典として聖淑女の衣とローブを与えます

祝福の固有スキルも付与されました〗後は見てのお楽しみよん♪


ぐぬぬ!またふざけて!でもやっぱり見てるのね

私が駄々捏ねたら罷り通るのはこれで2回目┅┅もっと頻繁に捏ねる?

駄目よ!女神に近くなる!

ふん!誰が仲良くしますかっての!ベ~だ!


「じゃあ帰りましょうか?」

「えっ?10階層は?」

「転移陣が使える様にってここへ来たの

探索はまたの機会でいいでしょ?いつでも来れるからね」

「そうですね、ミロも気を失いましたからね」

「どうして気絶したの?」

「ウフフ♪新しい能力を獲得したからよ

彼女にもっとも適した能力と称号なの

今のステータスはミコちゃんでも見れないからね

特別な能力なのよ」


そりゃそうでしょ?聖淑女様なんだから

聖女の10倍!いいえ!50倍の能力なのよ

その祝福は国全体を潤し豊穣と安寧を与えるんだから

それが永く続くから凄いのよ

聖女の祝福なんて一年やそこらで消えるからね


益々守りたくなったじゃ無いの!

この保護欲で私を殺すのぉ!

う~んたまらん!


「おお!リョウ!やっと帰って来たか!」

「アントンさんがどうして?」

「アハハ!待ってたぞ」

「所長さんがなんで?」

「そこのミロちゃんの事で待ってたのよ」

「ラノラさん!」


「話しは聞いたわ貴女達が助けたのよね?

そしてこうして仲間になったのね」

「はい!私はもうダズリングの一員です」

「ダズリング?なんだそりゃ?」

「パーティー名ですよ、4人になったから名前をつけたんです」

「そうか┅┅しかしリョウはトラブルに良く遇うな?

最初襲われてそしてけが人救出だろ?」


「ねぇリョウちゃん達はなん階層まで行ったの?」

「10階層の転移陣で帰って来ましたよ」

「ほらね?はぁ~あのね?たったの4日で10階層へ行けるパーティーは居ません!

フランの言う通り無自覚で非常識ね」

「5日では?」

「初日は騒動だったでしょ?

それを除けば4日なの」


まぁあれから野営したから┅


「それで?なんか変わった事は無かったか?」

「アントンさん!私は青い疾風のパーティーでしたが壊滅したからリョウさんのパーティーへ加入しました」

「壊滅だと?」

「ここではなんだから中へ入って!詳しく聞かせて」


それから事情聴取でしたね

あれはオークに襲われて壊滅だから┅うんそれで良いわ


「だからオークに襲われてその4人は殺られたと?」

「貴女は斥候で先へ行って助かったのね?」

「しかしなぁ?なんでそこでリョウ達が出て来るんだ?」

「それは私達もその階層に居ましたからね」

「見てたのか?」

「ええ」

「何もしなかった?」

「だって助けを呼ばなかったし、私達には関係無いから」


「┅┅┅関係無いってなぁ┅殺られてたんだろ?なんで助けない?」

「決まりでしょ?冒険者が魔物と戦ってたら手を出してはいけないって

助けを求めるなら助けましたよ」

「┅┅┅その助ける間も無いならどうする?」

「そりゃもう死んでるでしょ?

なんでそんな中へ行くんです?殺されに行くんですか?」

「はぁ~そうだがな!ちっ!」

「青い疾風はAクラス間近だったのよ、ギルドとしては助けて欲しかったわね」

「あのですね?Aクラス冒険者の査定には品行方正が有りますよね?

彼等はその品行方正に問題がありました

私はそれで抜けると決めたんです」


「そうなの?どんな?」

「アイツ等はダンジョンで若い子を襲って犯して遊んでたんですよ?

中には殺してるのも┅┅

ギルドカードを見れば真っ黒の犯罪歴が出るんですから

それを偽造屋に頼むとか話してました

闇ギルドでしょうげどね」


「な、なんだと!アイツ等が!

それに闇ギルドと繋がってるなんて聞いて無い!」

「BクラスやAクラスの冒険者の中には闇ギルドに登録してるのがいますよ

多くは王都へ行った連中です

それに彼等は元々王都の冒険者ですから」

「レニシアはここの出身だもんね

加入したのは?」

「斥候と前衛が出来るのが欲しいとかで参加したんです

買い取りは頭数5等分にするからと、お金の払いは問題無かったから」


「もっと早く知らせてくれたら捕らえてたのにな」

「同じパーティーですからね、そう簡単に口を割る訳には┅」

「そうよ!彼女はパーティー仲間として調べられるのよ?

そして下手したら罪を被るの

何もして無くてもパーティーメンバーならそうなるのよ」


「そうだな┅悪かった軽く言って

8階層なんだな?

調べに行かせるさ、カードが有れば死亡しても犯罪者として記録できる

被害者も浮かばれるだろう」

「それは本当?犯罪者になるのね?じゃあ出すわ

アイツ等のギルドカード4枚よ」


「リョウさん?いつの間に?」

「そんなの簡単だもん、なにかの役に立つと思って拾っておいたの」

「直ぐに調べるわ!リョウちゃん!でかしたわ!」

「おい!リョウ!なんで出さなかった!」

「だって犯罪者とかに認定されるって思わなかったもん

あんなのクズだからオークに食われて当然よ!」


「なんで知ってるんだ?なにか隠してるのか?」

「レニシアさんに聞いたからよ

近い!近い!殴るからね!」

「おっと!相変わらず男嫌いだな

また殴られたら歯が無くなる

それとここの支所は支部になったからな

俺はギルドマスターと言う訳だ

ラノラは副ギルマスだぞ

職員も増えた、どうだ?」


「ふん!早々と配置転換されてどこか田舎へ飛ばされるわよ

それが嫌なら少しは冒険者を調べなさいよ!」

「ううっ!痛い所を!ここはダンジョン街だぞ!

他所からわんさかと来るんだ

そんなに調べられるか!」

「門番さんを使えば良いじゃない

カード確認だけなら子供でも出来るわよ

町の門番さんは犯罪者確認するのにここはなんでしないのよ

カードなんて拾ったら誰でも使えるのよ

顔とか分からないでしょ!

あの秘密の番号はどうしたのよ

暗証番号と言って本人しか知らない番号で確認出来るでしょ!」


「そ、それは今ギルド本部が検討してる最中だ、そうだな?石板で確認すれば犯罪を犯してる奴が分かるよな?

なんでしなかった?」

「ふん!間抜けだからよ!支社に飛ばされてウダウダ言ってるから犯罪者だらけなの!」

「ぐぬぬ!言い返せねぇ!分かったから!直ぐに門番に石板審査させる!

怪しいやつらは全部しょぴくからな!」


「はぁ~出たわよ、強姦、盗み、強請ユスリに違法奴隷販売、殺しに盗賊とか┅前から酷い事をしてたのね」

「それなら石板に出ますよね?他にもそんなのがうじゃうじゃと?町で!ダンジョンで悪さしてますよ」

「これは重大な問題ね、ダンジョンでの活動が危ういわ

特に若い子達は餌食よね┅」

「ベテラン冒険者に言って注意喚起するしか無いですよ

これから入る身綺麗な冒険者に頼んで言って貰うしかね」

「これからは門番に確認して貰うから入って来ないだろう

中の冒険者達には今はそれしか無いな」


「リョウちゃんありがとうね?これはアナシスタさんにも連絡して考えて貰うわ」

「暗証番号が使える様になれば変なのは減ります

石板だけでは闇ギルドは抜ける手段を持ってるでしょうからギルドカードの確認をしっかりしたが良いですよ」

「そうね、見るだけじゃなくて照会しないとね

もう町へ帰るの?」

「はい、ミロちゃんの事も有りますし、レニシアさんの事も

仲間ですから色々としないと」

「ウフフ♪そうね、ミロちゃんを頼んだわ

レニシアはちゃんと帰るのよ」

「ええ!あんな家に帰るの嫌だ!

リョウさんの所に世話になりますよ~だ」

「まぁ!この我が儘娘!リョウちゃんこの子貴族だからね

男爵令嬢なのよ

貴族が嫌で家を飛び出してるのよ、3女だから籍を抜けば良いのにね」

「あの糞親父が政略結婚とか言うから!私が籍を抜く方法は無いの?」

「さぁ?私には分からないわ」

「フフン!私は知ってるもん!

なんだ貴族令嬢だったの?

だから剣士に拘ったのね?

ラノラさん?あのお爺ちゃんミハルド爺ちゃんなら抜いてくれるでしょ?」


「ああ!そうね♪ミハルド様なら可能ね?ウフフ♪

リョウちゃんお爺ちゃん扱いしたら真っ赤になって怒るわよ」

「良いの良いの、だってお爺ちゃんだもん

カルレシアさんでも行けるわね」

「そりゃ侯爵令嬢だもん、男爵令嬢のなら直ぐよ

でもカルレシア様がうんと言うかな?」

「それは大丈夫よ♪彼女ったら良く遊びに来るからねぇ~」

「はい!カルレシアちゃんはプリンが大好きなの

無いと駄々捏ねるから私が作ってあげるんですよ♪」

「まぁまぁ!そうなのね?ミコちゃんだっけ?

あなたもリョウちゃんに似て非常識ね?

カルレシア様をちゃん付けなんてねぇウフフ♪」


「ねぇ?リョウさん貴族が大嫌いじゃ無かったの?

侯爵令嬢とかお爺ちゃんとか?」

「あれは騎士団なの、貴族とは思って無いから」

「そうなの?騎士団┅┅って!まさか騎士団長と副団長!

なんでよ!なんでリョウさんが!謎が多すぎるでしょ!」

「 「 「 「 アハハ! 」 」 」 」


馬車乗り場にはノーランさんが暇そうにタバコを吹かしてるわ

タバコが有るのね┅┅


「おう!嬢ちゃんか?帰るのかい」

「最終に間に合いましたね

乗れますか?」

「今日はなんでか暇でね?まだ誰も来ないんだ

嬢ちゃん達で終わりかな」

「時間ですか?」

「じゃあ町へ帰ろうか」


はぁ~なんか色々有ったわね

今度来る時はもっとゆっくりダンジョンを楽しみましょうかね

ミロちゃんとレニシアさんが入って私の旅も出来なくなったしね


相変わらずお尻が痛くなるわ┅



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