序章終幕 世界の終わり。時代の始まり。
古い場所だ。
錆びついた扉はカタカタと不気味な音を鳴らしている。
おかしい。明らかにおかしい。
なぜならばこの廃病院は、たった六年前に完成し、三年前に閉院となったはずの場所だ。
暗闇の中、一つの明かりが灯る。
テレビがひとりでに語り出す。
その時、時計は四時四十四分を示していた。
「今回は、今週起こったことを各分野の専門家とともに解説していきたいと思います」
日本では様々なことが起こった。
まずは『東京ダンジョン』の出現。
東京各地に魔物の穴倉、ダンジョンが出現。
そのダンジョンから魔物が溢れ出し、人口の約四割が行方不明となった。
日本の経済は麻痺し、危うい状態となっている。
海外とは連絡が取れず、日本は“陸の孤島“となっている。
海外へ向けた船は行方しれずとなっている。
幸いダンジョンから取れる良質かつ高栄養の食料により、饑饉の心配はない。
二つ目に超能力者の誕生。
ダンジョン出現以降、超能力を発現した人々が出てきた。
さらに“魔法“と呼ばれるものを扱うことができるようになった。
水、明かり、火。ほとんどを魔法で代用でき、東京壊滅による二次被害を抑えることができた。
三つ目に。新組織、ハンターズギルドが発足。
代表の“魔人“パラガスが超能力者や魔法使いで構成された組織を作り出した。
現在、日本各地に支部をつくり超能力者を集めている。
日本は今、とても危機的な状況に置かれている。
「これ……これでででッで……」
闇に浮かぶ光が消える。
獣の鳴き声、ドアが軋む音、天井が揺れる音。
潜んでいた恐怖が今、解き放たれようとしている。
未知の恐怖が今、解き放たれようとしている。
埋もれていた野望が今、解き放たれようとしている。
激動の時代が始まったのだ。
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