第4話 暗躍

「どうかなアルフレッド君。目の調子は?」


「最高ですよ!!会長からいただいたこの眼!そしてスキル!!最高です!!」


「魔族の目が馴染むかは、その者の素質次第。アルフレッド君には素質があったみたいだね」


「日に日に目の馴染み具合も上がっていますので、スキルの発動時間もかなり長くなりましたよ」


「ほう...では、その後ろの3人も君の支配下にあるという訳か...」


「ええ!今では俺の操り人形!奴隷です!!」


「後ろの3人も相当な手練れと見たが...やはり強力だな。インキュバスの目から放たれるスキル【魅了チャーム】は...」


「目が馴染むまでは効果もイマイチでしたが、今では俺の命令には絶対従います!」


「それは羨ましいスキルだ。私も欲しかったものだな」


「ハッハッハッ!!会長、今日はこんな話をするために俺を呼んだ訳ではないのでしょう?」


「おっとそうだった。先ずはこれを見てほしい」


「首輪...?ですか?」


「そうだ!だが、普通の首輪ではない!!これは【隷属の輪】という魔法具だ!!」


「隷属ということは、その輪をはめられたら...」


「察しが良いな!さすがアルフレッド君だ!そう!これを装着されたら術者の奴隷になる!どんな人物であろうとも!!例えそれが獣だろうが魔族だろうが関係ない!!皆、奴隷となる素晴らしいアイテムだ!!」


「なるほど...相手に隷属の呪いを付与する魔法具なんですね」


「その通りだ」


「ですが、呪いの類ですと、耐性のある者には解除されるのでは?例えば【聖女】のスキルを持つ者ですと呪いを解く光属性の魔法を使うことができます」


「そういえばそこにいる僧侶もスキル【聖女】を持っていたな」


「そうです。この僧侶...リリアは【聖女】のスキルを持っています。もちろん呪いを解く魔法も使えます。だから俺は先ずこのリリアから支配下に置きました」


「かしこい選択だな。【魅了チャーム】に気付かれて、呪いを解かれては計画が台無しだからな」


「苦労しましたよ...【魅了チャーム】は自分より魔力量が低い異性にしか効果を発揮しませんから。インキュバスの目を移植してもらった恩恵で魔力量がリリアを上回ったから洗脳できましたがね」


「なるほどな。君の懸念も十分伝わったよ。だが安心したまえ。この【隷属の輪】が与える呪いは魔法なんかでは解呪することができない」


「どういうことですか?」


「君が今話している呪いとは謂わば状態異常のことだ。【魅了チャーム】もその1種。他には幻惑や混乱などがある。これらは全て魔力で相手の心身に状態異常を引き起こすものだ」


「...?なるほど...?」


「だが、この【隷属の輪】は相手の心身に呪いを付与するわけではない。相手の魂に直接、呪いを付与する。つまり魂に触れることのできる者でなければ、この【隷属の輪】は解除することができない」


「えっと...その...魂...ですか?」


「そうだ。簡単に説明すると、その者の中身から書き換えることができるというものだな」


「なるほど!それは素晴らしい!!」


「そうだろう!これを使って私の奴隷コレクションを増やしたいと思っていてね」


「奴隷コレクション?」


「そうだ。今まで様々なコレクションを集めてきたが、まだ手に入れていないものがあるんだよ」


「それは?エルフとかですか?」


「女神だよ」


「神族を奴隷にしたいと?」


「そうだ!今まで神族を奴隷にする術はなかった!だがついに私はこの【隷属の輪】を手に入れた!」


「ですが神族は神界にいるはず。めったに会えるものではないのでは?」


「それがいるのだよ…カイゼルシティの西にある森に女神がね...!!」


「あんなところに女神が住んでいるのですか?」


「ああ、そうだ。7年前の大戦で傷つき人界に残った個体らしい。相当弱っているらしいから、君たちの戦闘力があれば余裕だろう」


「なるほど、女神狩りですか…これは楽しそうだ」


「報酬は弾むぞ。この【隷属の輪】を、そこの女3人分譲ってやってもいい」


「ありがたいですが報酬は金貨で。【隷属の輪】は俺には必要ありません」


「なぜだ?これがあれば毎回スキルを使う必要もないぞ?」


「スキルを使うことに意味があるのですよ...」


「???」


「理解し難いという顔をしていらっしゃいますね。ではご覧に入れましょう」


「何をする気だ!?」


「【魅了チャーム】解除!!」


アルフレッドの目から紫色の光が放たれる

ジーン、リリア、ディーネの3人は、その場に膝から崩れ落ちた…


「ううう...いやぁぁあぁぁあああぁぁ!!」

「ゔっ...おえぇぇぇぇぇぇ...」

「ゲホッゲホッ…」


3人は急に苦しみだした。


「おいおい...屋敷を汚すなよ...全くお前らは...帰ったらお仕置きだな」


「アルフレッド...貴様...」


「おやおや...ディーネ、お前はまだ喋れるのか。【魅了チャーム】を解除した時の記憶のフラッシュバックで普通ならまとめに会話もできんのにな。さすがスキル【不屈】を持っているだけはある」


「殺して...やる...」


「ふん...!!【魅了チャーム】!!」


再び3人を紫色の光が包み込む!!


「あへへへへへへへ~??」


「ほら、立て3人とも」


「あ~ん!!アルフレッドしゃま~♡」

「はやくお仕置きして~♡」

「アルフレッドしゃま~♡」


「おっと...【魅了チャーム】を強くかけすぎた。キャラが変わってしまったが...

まぁ良いか」


アルフレッドはフッと笑いながらズーク会長の方を振りむいた。


「どうです、会長?最高だとは思いませんか?俺はたまらないのです。【魅了チャーム】を解いたときに記憶が戻り、絶望し、そして、なお立ち向かおうとしてくる者を屈服させる瞬間!!こんな最高な気分を味わえるのに【隷属の輪】で一生支配してしまっては勿体ない。俺はこいつらの絶望に満ちた顔を見るのが大好きなんですよ!!」


「フフフ...フッハハハハハ!!良い趣味をしているな!!それでこそ私が見込んだ男だ」


「ありがとうございます。それでは早速準備にとりかかりましょう」


「ああ、そうだな。さぁ、女神狩りだ」



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