第30話 カズオイ・シグ子さまの作品

企画にご参加ありがとうございました。

これはもしや、秋犬さまの作品の続編ですか?w

いえ、何かがカズオイ様の心の扉を開けてしまったのでしょう。


レッツ文学!



 田所さんは四つん這いで確かお馬さんごっこか何かの途中だった。

→この姿は秋犬さまの作品で見かけました。ジョジョ並の連携。


背中をそらし『はう』とか『あひ』とかいった声を上げた田所さんにわたしはキャッキャと大はしゃぎ。そして同時にうなじの辺りをつまむような擽るような感覚が走った。それは尿意にも似ていた。なーにコレ、あは、わるいおうまさんだなぁ。わたしはもう一度鞭を振り上げ田所さんのお尻をしこたま打った。

 バッチーン、バッチーン。

 わるいおうまさんはおしおきだぞ、って。

→そう、田所は悪いやつなのだ。


「カズコさん、カナコちゃん才能ありますよ」

 と休憩時間楽屋に戻って来たママに田所さんが報告する。わたしにぶかぶかのヒールで顔を踏みつけられながらだ。その報告はマネージャーとしての責務だったのかも知れないし、わたしを産んでからSM女王としては落ち目だったママへの発破だったのかも知れない。

→カズコさん、名前が万能。

 

 有刺鉄線で引き裂いた背中にタバスコを擦り込み、爪の間に突き刺した布団針を蝋燭で炙る。鋼鉄入りのピンヒールで踏みつけはみ出た睾丸を、歯が折れて血まみれのお客の口に捻り込む。

→急に痛すぎる。

 

 不幸だったのはママの燃え上がるサディズムに呼応するようにお客の底なしのマゾヒズムが開花してしまったことで、やり過ぎたママはその夜のお客を殺してしまう。お客の『関係者』というヤバい人達がママを連れ去ってしまう。拷問を受けたらしいママはバラバラに引き裂かれてその辺に打ち捨てられてしまう。

 で今もまだ頭だけ見つかっていない。

→出会ってしまったのですね。。。


 さて、十六歳になったわたしはファーストキスで男の子の舌を噛み千切ってしまう。びっくりした男の子が千切れた舌を呑み込んで喉に詰まらせて倒れてしまう。

 バッターン。

→書いてることはギャグ😂


 病院とか警察署とか学校とかを回っている間、わたしはおしっこがしたくてずっとモジモジしていたので田所さんが代わりに頭を下げて話をつけてくれた。

 すっかり暗くなった帰り道「田所さんありがとう」と言うと田所さんはわたしの頭に手を乗せてくれる。「カナコちゃんはカズコさんの忘れ形見だ。一生面倒見るよ」と言ってくれる。わたしは田所さんの手をバッチーンと払いながら「ママを殺したのはアンタだし」と思いつつ「ありがとう」ともう一度言う。田所さんはわたしが払い除けた手を見つめながらうっとりとしているこのド変態が。

 小さい頃から知っている田所さんをわたしはどういうポジションに置いていいか決めかねていた。SMクラブを経営しながらわたしを養育してくれるお父さん。少し歳の離れたお兄さん。ママをけしかけ殺される原因を作った仇。そうやって悩んだ時思い出すのは、ママが死んだ日に楽屋でわたしに打ち据えられ悶える田所くんだった。

→田所、優しい悪魔か。


 ママの形見はわたし、わたしを擽る何か。そしてママの女王様マスクだ。マスクをはめるとママがすぐ側にいるような気がする。「ママ、ママ」と呼びかければ「なあに可愛い子豚ちゃん」と返事が聞こえる気がする。ママが本当にそばにいてくれたら、男の子の舌を噛み千切っちゃった時の形容しがたい気持ちを教えてくれるのかも知れない。田所さんの手をバッチーンと払い除けた時の気持ちを教えてくれるのかも知れない。

→本能というか、性というか。


 そのふたつが、ううん、小さい時に田所さんのお尻を鞭で打ち付けた時、地面を這うアリを踏みつけた時、小学校のフォークダンスで繋いだ男子の手に爪を立てた時、田所さんを縛り上げママの仇をうつ想像をした時、そういった行為にわたしの中で震えるこの気持ちが全て似ている理由を。

「それはね、愛なのよ子豚ちゃん」と今度ははっきりとママの声が聞こえる。鏡に映る女王様マスクをしたわたしはママがスーパーサディスティックカズコと呼ばれた時の姿によく似ていた。それは当然の事だ。わたしは女王の娘なのだ。

→愛なのかー!www


「ママ、どうしていなくなっちゃったの?」と聞けば「本当の女王様はひとりだからよ」と鏡の中でスーパーサディスティックカズコが答えた。

→無駄にカッコいい。


 そうして、高校を卒業したわたしは田所さんのSMクラブにいて、ドアの向こうはお仕置き部屋だ。入店試験はもちろん支配人の田所さんが審査する。そう宣言した田所さんは素っ裸でペニスを硬直させているこの愛しい豚野郎。わたしは既に尿意を我慢している。尿意が津波のように押し寄せる。

→豚野郎w


 わたしは田所さんを荒縄で縛り上げ組み敷き、鋼鉄入りピンヒールで踏みつけるだろう。焼き鏝で陰毛ごと肛門を焼くだろう。その火傷にウォッカをダバダバかけて空瓶で額を割るだろう。そうして田所さんを殺してしまうかも知れない。そうなってしまったとしても別にどうだってことでもないのはわたしの愛が無尽蔵だからだ。わたしは何もかもを愛している。

→倒錯完了!!!


 ペインフロムスーパーサディスティックカナコトゥオールファッキンピグレッツ。

→wwwww

 

 わたしはママのマスクの紐を締め直した。

 女王様マスクはわたしの何もつつみ隠さない。

→そうなりますねwww



総評


異次元でしたね。

主人公の倒錯完了までの流れが、読んでいて知らず知らずのうちにそこに行き着いているし、最後はこれが愛だと言われて納得してしまうものがありました。

内容はドギツイですが、単に残酷描写を並べる、単語で引っかけるのではなく、主人公が仮面をつけるあのラストに向けて、必要なことが書かれているのが良かったです。

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