第16話 猫小路葵さまの作品

ご参加ありがとうございます!

なかなかに凝ったお話でした!

では早速…



娘と一緒に暮らしたのは、たったの二年間だった。俺は、玩具メーカーに勤める営業マンだった。俺にはギャンブル癖があった。魔がさしたのだ。そうとしか言いようがない。貯えが底をつき、俺は会社の金に手を付けた職場を懲戒解雇され、妻とは離婚し、娘は妻が連れていった。

→主人公よwww


だから俺は、陰ながら娘を見守ることにした。妻は、娘を保育園に預けて働きに出た。俺は、アルバイトの合間を縫って、保育園のフェンスの外から娘を見ていた。

→主人公!wwwww地域住民から声をかけられてしまいそう。


 まだ小さい娘をひとりにする妻に腹が立った。母親のくせに日曜まで仕事を入れるなんて。

→いやいや、お前がマトモならこうなってはいない!


 俺は、すぐさま試供品の中からヒーローのお面とコスチュームを取った。

→お。面白そう。


 そして、慌ててベンチからとんできた母親たちに手を引かれ、公園から逃げていった。

→変態から離れろ!って感じに……!?


 それからも、俺は娘を見守り続けた。

 小学校の入学式も、運動会も、卒業式も。中学に入ると、部活の試合も。

 俺はその都度「交通整理のおじさん」に扮したり、「他校のコーチ」に扮したりと忙しかった。

→主人公の百変化は面白いんですが、語りのトーンが落ち着いているので、ガチなのかコメディなのかがちょっとわかりづらいw


 高校生になると、通学の満員電車で痴漢にあわないかと気が気でなかった。

→思考回路が、犯罪者寄りなんだよなw


 お礼を言うかと思いきや、娘はひったくるように定期券入れをつかみ、行ってしまった。

→娘、正常!


 俺はショックを隠せなかった。

 俺の娘は「ありがとう」の一言も言えない子に育ってしまったのか。妻はどういう躾をしているのか。

→主人公、大丈夫か?!全然大丈夫ではない!


 いや、これはきっと、思春期のなせる業だ。あんな態度はいまだけだ。

 俺の娘がそんな非常識な子のはずがない。

→落ち着けよ主人公w


 娘の晴れ舞台だし、木を隠すなら森と言うではないか。多くの参列者で賑わう吉日の式場に、礼服姿の中年男性はうまく馴染んだ。

→😂


 おとうさんがわたしをつけ回してたこと、わたしずっと知ってたよ。そのことに気づかないなんて、おとうさんて本当に馬鹿なんだね。

→そりゃそうか。


 離婚したあと、おかあさんは苦労してわたしを育ててくれた。養育費なんてないから、おかあさんとわたし、二人ですごく頑張ったの。伯父さんはずいぶん助けてくれたし、それを許してくれた伯母さんにも感謝してる。大学は奨学金を借りられたけど、返済はまだ当分続くんだ。そういうこと、おとうさんは全然、考えたこともないでしょ?

→養育費払ってないのかー。ギャンブル設定がちゃんと生きているのがいいですね。


 ただ、ひとつだけ、わたしに感謝してほしいと思ってることはある。ずっと「知らないふり」を続けてあげていること。少しはありがたいと思ってくれたらいいんだけど。

→見守りをギリギリ許してあげてたって感じですね。


 幸せな人だね。

 馬鹿なおとうさん。

 いまはもう他人。

→社会人になった娘の視点から物語を振り返ると……っていう作りが面白かったです。



総評


後半の展開に工夫があって、面白かったです。

ただ、私の場合、お父さんへの同情:社会人としての危うさ=1:9だったため、娘パートの意外性はそうでもなかったのが勿体無いなと思いました

まず、娘はお父さんのことを忘れて、幸せになっていただきたいです😂

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