はじめの彼女は、王女でありながら声を持たず、期待もされず、ただそこにいるだけの存在でした。
青年ウィリアムは、王女に何かを無理にさせることはありません。
彼がするのは、王女が自分の言葉で立つための場を整えることだけです。
民の前で語り、貴族と向き合い、戦場でさえも言葉を失わずに立ち続ける王女の姿からは、少しずつですが確かな成長が感じられます。
そばで支えるメイドのクレアも、物語に緊張感と安心感の両方を与える存在です。
力強く、しかし万能ではない彼女がいることで、王女自身の決意がより際立っています。
派手な冒険譚というよりも、静かに心が動いていく物語です。
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