第4章第2話 怪しい人物と目撃証言


放課後、学園内は普段より少しざわついていた。

碧と結は、生徒会から渡された「事件目撃情報リスト」を手に、校舎を巡回していた。


「まず、看板を最後に見たのは誰?」碧が問いかけると、結がメモをめくる。

「美術部の藤井先輩ね。昨日の夕方まで体育館前にあったって」

「じゃあ、犯人はその後に入った人だね」碧はにやりと笑う。


廊下を進むと、足早に通り過ぎる影があった。

「……あれ?」碧が小声で指を差す。

「怪しい……」結も目を細める。


影の人物は、図書委員の小林だった。

「小林先輩、昨日の放課後はどこにいました?」碧が声をかけると、小林は驚いた様子で立ち止まる。

「え、あ、私はずっと図書室に……」

「図書室には出入り記録があるはず」結が指摘すると、小林は一瞬目を逸らした。


その時、別の目撃情報が届く。

「放課後、体育館前で誰かが紙を持ってうろうろしていた」という情報だ。

「紙……もしかして、あの警告?」碧はひらめく。

「その人物、目撃者の証言では手元の紙が赤いって言ってたわ」


結は冷静に整理する。

「ということは、少なくとも二人は動いていた可能性があるね」

「うん、複数人が絡む連続トラブル……やっぱり面白くなりそう!」碧は胸を躍らせる。


さらに調査を進めると、文化祭実行委員の山口も目撃されていた。

「昨日の夕方、体育館で準備していたら、誰かが看板の近くをうろうろしていたのを見た」とのこと。

「うーん……全員、少しずつ怪しい行動をしてるな」碧は机に置かれた資料をまとめながら考え込む。


結は肩をすくめ、メモ帳に整理する。

「碧、複数の人物が絡む事件は、誰がどこで何をしたかを整理しないと、推理が迷子になるよ」

「うん、でも名探偵ごっこなら大丈夫!」碧は元気に笑う。


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