第6話 藍偉雷(あいらい)
子供のころは
みんなボクたちを
あまり
でもボクには双子の片翼、
剣術も教えてくれたし戦術を
訓練場に行けばそこに
背は二メートル近く、
少し
高い所から見る景色はとてもキレイで、世界を見ているような気分だった。
ボクにとってとても大切な居場所だった。
だけど、
ボクの中で何かが
その何かは分からなかった。
その時の自分の心が分からなくなっていた。
どうしていいのか分からなかった。
そして、
それを知ったとき、ボクの心が壊れかけた。
今まで分からなかった何かが
ボクは
今、ボクの隣に
今の僕にはそれだけで十分だ。
もともと、
それを、ボクが欲しいと
それは少し悲しいけど、
きっと
こうして近くで
こんな幸せ、今までになかった。
この幸せを手放したくない。
選んでくださった。
しかし、
私が
宝石ではあるが決して高価ではない石を大切に身につけてくださっているのか。
そう言えば、いつから
あの時、城に出入りしてる職人が自分の子供を肩車して遊んでいたのを、
その
親が忙しくて下の
あの頃の自分と重ねたのだ。
思わず
そして肩車をして差し上げたのだ。
その時から
私も嬉しくて剣術や戦術を教えて差し上げたのだ。
だが、いつからか
そして、
私は
私は
戦略のアドバイスなど
そして
決して必要以上に
いつも
常に
しかし、
もっと仕事以外のことも話がしたい。
一緒に食事がしたい、どこかに
どうしたらもっと
「ねえ、
どうしたら
石は昔、
以来、
「
答えられるなら私だって
生まれながらの半身、片翼の双子がベッドの中で抱き合って
竜はことあるごとに体を寄せ合い、お互いを感じている。
触れ合うことで
まして、双子だからお互いのことはよく
喜びも悲しみも二人で一つだ。どちらか片方が
その二人が思うようにいかない恋について話しているのである。
「
それじゃ、
「いっそのこと、命令すれば?ボクを
「ボクが欲しいのは
そんなこと
「そうなんだけど…まだ、
私なんて…」
「
昔、
その時、
ただ、ただ、
「
今度は絶対、
またあの時のように
今度こそ自分の心も壊れるのではないかと思っていた。
自分の
しかし、
満足はしていたが、何かが足りない気がしていた。
自分との間に見えない線が引かれているような感覚があった。
恐らく気のせいではない。だが、その理由も思い当たらなかった。
そしてある夜、
「
その…夜は、どうなんだ?」
「な、何、言っている?」
すると、いきなり
「本当にどうしたんだ?」
その言葉に三人ともが驚いた。
「
「お前ら、俺が耳が
「申し訳ございません。
その、夜の生活についてお聞きしたくて…」
「
「お二人とも以前とお変わりなく私たちに接してくださいます。
仕事も日常生活でも。
ですが何というか、少し距離をおかれているような…
どう対応していいのか分からないのです。
この
「ふ~ん、確かに俺たちは主従関係だ。
命令すれば、お前たちは
実際、俺は
「だが、体も心も丸ごと俺のものになれと命令した。
あの子たちが本当に欲しいのは心だよ。
体だけじゃなく心も
だが、実際、命令しても決めるのはお前たちだ。
嫌なら従わなければいい。
あの子たちはお前たちを尊重して手は出してこないだろう。
特に、
「えっ⁉すべてって、わたしの過去をですか?そんな…」
「
あの時から、ずっとお前を見ているよ」
「確かに
もちろん、自分の意思で従う。
だが私はどう、そのことを
「そうだね、
私の心は
でも、私たちから何を伝えればいいのだろう?
私たちから願いを伝えてもいいのだろうか?
気持ちを伝えることは難しいね」
二人ともそのまま黙り込んでしまった。
そして、とうとう、ある夜、
「
どうか私に命令していただけませんか?
私をご自身のものにすると。
どうか
「何それ⁉
そこにお前の意思はあるの⁉
お前の心はあるの⁉
ボクは、ボクが欲しいのはお前そのものだ‼」
「私の心はすでに
この体も心もすべて
ただ、私が
あなたに
「
ボクはお前がずっと好きだよ!
お前のすべてが欲しいよ!
そしてボクのすべてをお前のものにしてよ!
だから、言って。
お前の口から、お前の言葉で、ボクが欲しいって。
ボクはもうお前を
「ああ、
私はズルいことをしました。
この
どうかこの
あなたのすべてをこの
私は
そして、この
そして、あなたの中に私の魂を住まわせてください」
「
お前はボクのものだ!
ボクはお前のものだ!」
もう二度と
この宝石は一生ボクだけのものだ。
fin
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