シェフレラとクロトン

 私は、推しキャラに見立てて寄せ植えを作ったり、植物の鉢カバーをかけたりする事がよくある。

 推しカラーのフラスタやインテリアを飾るような遊び方だと思って貰えばわかりやすいと思う。


 「シェフレラ」と「クロトン」


 多肉植物だけでなく、一昨年から観葉植物も少し育てている。

 観葉植物として、メジャーな斑入りのシェフレラもその一つだ。

 スペースが許すのなら、うんと大きくして、その木漏れ日の下で本を読んだりして余暇を過ごしたい。


 私はそのシェフレラを「公瑾」と呼んでいる。

 ではタイトルで並べたクロトンは?当然「伯符」である。

 どちらも三国志に登場する英雄の名前だ。「呉」という国の若武者でどちらも早逝したので、あまり有名とは言えない。


 まずシェフレラ(ホンコンカポック)がうちにやって来た。

 メジャーすぎるが、どうしても白っぽい木になる植物を「公瑾」と呼びたかった。

 フィカス系は葉が派手で印象が強すぎる。ドラセナは南国感がありすぎる。

 観葉植物初心者が、安心して手を出せる物として選ばれたのがシェフレラだった。

 しかし!やはり初心者。下手の横好き。

 最初の一本は病没してしまった……。

 現在うちにいる「公瑾」は二代目だ。今の所壮健である。


 では対のクロトンとはどういう植物か。


 一言で表せば派手。

 色々な種類や葉の形があるが、うちにいるのは黒に近い深緑に、赤や黄色の大きな斑が入る物だ。葉っぱもたくさん繁る。

 目にうるさいくらい、色で殴ってくる。

 そして、葉っぱが鉾の形をしている種類もある。

 赤、鉾、それだけで三国志っぽいイメージが湧いてしまうのがオタクの厄介な想像力である。


 鉾葉のクロトンを見た瞬間「孫策と呼ぶならこれ以外ない!」と衝撃を受けた。

 だが、園芸店で1鉢5000円をお迎えするのは主婦のお財布と理性が許さなかった……。


 諦めて数百円の小さな苗を購入した。

 育て始めてから知ったのだが、実は私が入手したクロトンの小苗は鉾葉にならない種類だった。


 別に良いのである。

 我が家なりのベストを尽くすのが趣味の世界だ。

 赤いし、派手だし、寒さに弱いし(これは関係ない)。


 いつかクロトン貯金が貯まって鉾葉を購入したら、こちらも二代目「伯符」を襲名させることになるかも知れない。

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