#12  キャラクターが思い浮かぶ人。 #心春さん

 さてお次は女性部門の心春さんの作品です。


 屋敷神の慈しみに恋紋様は幸色にかがやく

https://kakuyomu.jp/works/16818622174866461072


 チョイスがそれぞれ違うのは、どの作家さんも『違う特色があるな』と思っているからです。それぞれ作り方も構成も語りも全部異なって、話を読んでいると作家さんの個性が出てるからです。


 心春さんの『イメージしやすさ』に焦点を当てようと思います。


 冒頭からの語り口調がすでに、和風かつ昔話となっている。

 出てくる単語は『童子』『屋敷神様』など、この時点で、和服を着た昔ながらの立派な家屋をイメージする。かなりデカイが古い屋敷だ、と簡潔にわかる…!

 

 1P目で主人公の『髪色』『長さ』『他の家族との違い』を描写をいれつつ明確にしている。ログラインというか、話の軸になるものがすでに見える。主人公もイメージしやすかったのだけれども、個人的に好きなのは千寿くん(さん)なので、さてイメージしやすい千寿くんについて語ります。


・威圧感がある子供

・服装はダボついている

・髪は白で瞳は赤だと手短に語る


 要点を完結に告げ、ページ内で映像として再生できるようになっている。

 使われたのは青の炎。そして人ではならざるほどの美、とされた形容で幻想的に。

 

 『和風の超絶美男子』か、なるほどわかった!(?


 そう、特色はここで掴んだ。


 和風の威厳ある美少年、というイメージが離れない。

 それもうつつのような幻想さを併せ持つ。


 えーと読んでない方にネタバレとなり大変に申し訳ないのだが、千寿くんは成長する。また、それも作品全体にプラスアルファとして、底上げする要因となる。


 なにせ、すでに美少年というイメージがついているのだ。


 そりゃー成長しても美青年になるだろう。固定イメージがついたままなのだ。心春さんの、描写の強さがここで生きる。


 会話もあるのだが、会話だけで飽きさせないようさりげない描写をうまくとり入れているため、バランスがとても良い。


 セリフだけだとイメージが沸き辛いところを、『どこで』『なにをしているか』を映像として明確にしていて、追いやすいのだ……。この絶妙なバランスよ✨


 このあと度々、『あーーーかわいい!』と叫びたくなることが多々あったりするのだが、キャラクターという概念に焦点を当てた、本エッセイではこれ以上語るより、心春さんの作品をお読みになって下さい✨

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