鼓動の先に

西竜愛星

第1話|幕開けの鼓動、崩れゆくステージ

※この作品は台本(脚本)形式で執筆しています。

会話の前にキャラクター名が入る構成です。



ステージに咲く笑顔の裏で、彼女の“鼓動”は崩れはじめていた。

止まらない運命の歯車が、今、回り出す。



こんにちは。お疲れ様です。

西竜愛星(さいりゅう あいせい)と申します。

自分の中にずっとあった “命と夢” に向き合う物語を、脚本・小説という形で作品にしました。

今回投稿する『鼓動の先に』は、リアルな医療と青春の交錯をテーマにした完全オリジナル脚本です。

物語の中心には、ある「アイドル」がいます。

彼女の“鼓動”が止まりかけた瞬間から、すべてが動き出します。

本気で向き合い、悩みながら作った物語です。

ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。



⚠️ ご視聴・ご閲覧に際してのご注意 ⚠️


この物語は、命と心に向き合う極めてシリアスなテーマで構成されています。

物語中には、医療現場のリアルな描写や、精神的ショックを伴う場面が多数含まれます。

お子様や、過度な医療描写に抵抗のある方のご視聴・ご閲覧はお控えください。

それでもご覧になる方は、自己責任にてお願い申し上げます。

あなたの心に強く残る物語を、ここから始めます。



――ドクン。ドクン。(心音)

ずっと聞こえてた。

心の奥から響く音。

スポットライトの中で、それがどんどん大きくなる。

夢のステージに立ち、

ファンたちの歓声と拍手を聞いた瞬間――


もっと大きくなりたい。

もっとたくさんの人に、感動や勇気を届けたい。

そんなアイドルになりたいって、心から思った。


だけど、まさかあの日、

命の鼓動まで――

奪われそうになるなんて、思ってもみなかった。




鼓動の先に


原作・脚本:西竜愛星




第1話『幕開けの鼓動、崩れゆくステージ』



きらびやかなステージで踊るLumière(ルミエール)のメンバー。

センターの白石結愛は全身でパフォーマンスを披露し、観客は総立ち。


スポットライトが彼女を照らす。瞳が輝いている。

楽曲が終わると、会場は熱気に包まれ、拍手喝采。



メンバーたちが興奮した様子で楽屋に戻ってくる。

白石結愛は少し疲れた様子を見せるが、無理に笑顔を作る。


山瀬瑠奈「さすが結愛センター、キラッキラだったよ〜!」


結城沙耶「……ねぇ結愛、今日ちょっとフラフラしてなかった?」


結愛「ほんと?ありがとう。……ちょっと暑いね」


水を飲もうとするが、手が少し震えている。

だが気づかれないように振る舞う。



球団施設内、練習後の正宗龍星。

記者に囲まれるも淡々と受け流す。


ロッカールームでユニフォームを脱ぎながら、スマホで結愛のライブ写真を見る。

左肘のトミージョン手術の傷痕に視線を落とし、静かに呟く。


龍星(心の声)「ずっと……支えられてたな、あの頃。今度は――」



夜。

白石家の食卓。家族での夕食シーン。

明るい雰囲気の中、結愛は少し食が進まない。


白石翔太「結愛、最近ちゃんと寝てる?」


結愛「うん……大丈夫だよ」


両親も少し気にして見守る。

父・将弘がそっと母へ目配せを送る。


夕食後、自室へ戻り配信の準備をする結愛。

胸元に違和感を感じる。


結愛(心の声)《また……この感じ……。やだ、怖い……でも……止まっちゃいけない……》

(胸元を押さえる手に、力が入る)

《……笑顔、崩しちゃ……ダメ……あたしが、崩れたら……みんな……》



SNS配信。

画面越しに笑顔を見せる結愛。

しかし途中で映像がわずかに揺れる。


コメントが流れる。


「ゆあちゃん今日顔色悪くない?」

「ライブ最高だったよ!」

「結愛!おれの嫁になってくれー!」

「今日、いつもより声弱くない?」


結愛(配信)「こんばんは〜!今日はライブありがとうねっ!あたし、ほんと幸せ……♡」


カメラ越しでは満面の笑顔。だが手元は震えている。


配信終了後。

化粧を落とし、入浴を済ませた結愛。

鏡台の前でスキンケアをしながら、胸元を押さえて眉をひそめる。


結愛「疲れてるのかな?まぁいいや。おやすみ。」


結愛はベッドに入り、眠りについた。



再びライブの日。

照明と歓声の中でパフォーマンスするLumièreの3人。


徐々に視界がにじみ、音が遠のく。

結愛はラストポーズを決めた瞬間、目がかすむ。


🫀「ドクッ…ドクッ…」


結愛(肩で息をしながら)「ハァ……ハァ……ありがとう!!今後ともあたし達Lumièreの応援よろしくお願いします!!」


ファンたちが叫ぶ。


「結愛が一番可愛いよー!!」

「Lumière最高!!」

「沙耶ー!!瑠奈ー!!こっち向いてー!!」

「Lumière!Lumière!結愛!瑠奈!沙耶!イェーイ!!」



ライブ終演。ステージ裏に戻るLumièreの3人。


結愛(汗を拭きながら)「みんな、おつかれさま〜!最高だったね♡」

🫀「ドクン…ドクン…」


瑠奈「さすが結愛センター、今日もキラッキラのキレッキレだったよ〜!」


沙耶「……ねぇ結愛、今日もちょっとフラフラしてなかった?大丈夫?」


結愛(笑って誤魔化す)「え?そんなことないよ〜、いつも通りでしょ♪」


バッグから小さな鏡を取り出し、メイク直しをしながら深呼吸。

鏡に映った顔色は、やや青白い。


スタッフ「SNS配信用の撮影入りますね〜!」


結愛「はい!お願いします!」



スマホでライブ配信が始まる。

コメントが次々に流れる。


「ゆあちゃん最高だった!」

「神ライブ!」

「今日もかわいいよー!」

「今日ちょっと顔色悪くない?」

「体調大丈夫?」


一瞬、結愛の表情が硬直する。


結愛(少し焦り気味に)「えへへ……だいじょぶ、ちょっと暑かっただけ。心配ありがとね♪」


視線が泳ぎ、胸元を押さえて咳き込む。


早川志帆(マネージャー)「……結愛?」



配信終了直後。

結愛(心の声)《ちょっとだけ……ちょっとだけ、休めたら……》


結愛「ちょっと、着替えてくるね……」


🫀ドグックンッッ……!!


鈍く重い痛みが胸を打つ。照明が遠のき、視界がモノクロになる。

足元が溶けるように崩れ、空気が遠のいていく。


結愛(小さく)「……ごめん、みんな……」


体がガクンと崩れ落ちる。衣装のリボンがふわりと舞い、楽屋の床に倒れこむ。

痙攣のように肩が震える。


スタッフ・メンバー(悲鳴とパニック)


志帆「結愛っ!ちょっと!誰か水……いや、救急車っ!!」


沙耶「えっ、うそでしょ!?結愛!?」


瑠奈「ゆあっ!?ねぇ、目開けて……お願い!!」


志帆「意識ない!脈拍……わかんない、はやく119!!」


スタッフ「救急車をお願いします!女の子が倒れて!急いでください!」


楽屋中がパニックに包まれる。

「AEDってどこ!?」

「どうすればいいの!?」という声が飛び交う。


志帆「全員、一旦落ち着いて!今、救急車呼んだから!!」


瑠奈(泣きながら)「ねぇっ……!!結愛!どうしたの!?お願い、起きて!!」


沙耶(泣きながら)「結愛っ……!!そんな顔しないで……」


結愛の顔は青白く、メイクが少し崩れ、肩が震えている。


🫀ドクッ………ドクットク…トクッ……トクン…トクン…



TO BE CONTINUED



次回予告


天真爛漫な笑顔の裏に、誰もが知らなかった病が潜んでいた。

仲間に囲まれた舞台裏、崩れ落ちる小さな身体。

運び込まれた救急車の中、心音はただ、儚く、脆く響く。


知らされる、あまりにも残酷な診断。

そして、運命の知らせは、遥か海を越え、あの男のもとへ――


次回、鼓動の先に 第2話

『消えかけた鼓動 ―― 天使の眠る部屋』



あとがき


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


もしよければ、ひとことでもコメントをいただけたらすごく励みになります!

続きが気になる方は「★評価」やフォローで応援してもらえると嬉しいです。



第2話へ続く

https://kakuyomu.jp/works/822139837672594690/episodes/822139837679245451

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