第17話 凜々花と勝負
「じゃあ、本気で勝負ね!」
「……僕は初心者だぞ? 手心とかって……」
「ないね! 勝負の世界はいつでも真剣っしょ!」
「性格悪いぞ」
僕は凜々花に連れられて総合娯楽施設に足を運んでいた。
ここでは様々なスポーツや娯楽を楽しむことが出来て、僕たちは今ラケットを片手にテニスコートの上に立っていた。
学校終わりという事もあって周りには学生がちらほら見られたけど、そんなことはどうだっていい。
「負けた方が勝ったほうのいう事をなんでも一つ叶えるってことで!」
「おま、ちょっとま……」
僕が静止しようとするのを無視して彼女はサーブを始める。
ここで負けたら何を命令されるかわかったもんじゃない。
何としても勝たなくては……
「そらっ」
僕がどうするかを考えていたら凜々花がいきなりサーブを打ってきた。
勿論、素人の僕に凜々花のサーブを受けれるわけがなく。
あっさりと点を決められてしまった。
本当にこいつ運動神経いいな。
と言うか、マジで罰ゲームありなの?
これ、マジなの?
「罰ゲームの話ってマジなの?」
「そりゃ、マジでしょ。うちは本気だよ?」
「マジですか~」
負けたら本当に何を命令されるかわかったもんじゃない。
こればっかりは本気で取り組まないと。
「とはいってもな~」
本気を出したからと言って、僕の運動神経が向上したりテニスが上手くなったりすることは無い。
つまり、かなり詰みに近い状況なのだ。
「じゃ、いくぜぇ~」
今回はサーブの前に声掛けをしてくれる。
まあ、してくれたからと言って僕が反応できるかどうかは全くの別問題であっけなくテニスボールは僕のコートに落ちた。
目にも止まらぬ速さ。
サービスエースを決められてしまう。
目の前には勝ち誇った表情を浮かべる凜々花。
相も変わらず可愛いけど、負けたら本当にやばそうなので何か打開策を考えなければ。
「すごいな。凜々花がここまで運動できるなんて思わなかったぞ」
「いや、龍くんがテニスできなさすぎなだけでしょ」
「それよりも、相変わらず凜々花は可愛いな」
「ふぇ?」
凜々花がサーブをするタイミングを見計らって僕は凜々花を褒める。
反応してサーブが乱れればそれでよし。
そうならなければまた違う作戦を考えないといけない。
「っあ?」
「よっしゃ!」
作戦通り凜々花はサーブを失敗した。
この調子で凜々花を褒めまくれば何とかしのげるかもしれない。
「龍くんそれずるでしょ!」
「ズルくはないだろ。僕はただお前を褒めただけだ」
「それはそうなんだけど! むぅ~」
可愛く膨れて抗議してくる凜々花が可愛かったけど、この作戦をやめるつもりはない。
だって、負けたらどんな目に遭うかわからないし。
と、思って毎回サーブをするたびに褒めてみたんだけど、一回目以降ミスをすることは無く普通に完敗した。
「ははっ」
一体どんな罰ゲームを科されるのか。
不安で仕方なかった。
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