第26話 僕へのプレゼントの僕からの感想

 次の日、静は変身を解いて、高校3年生と言う静になり、八ヶ岳さんと一緒に登校した。その道中、

八ヶ岳さんが静に話かけた。


 「静さんはいいなー。みんなも憧れ過ぎて、話かけられないくらい綺麗だし、勉強もスポーツも万能だし、、、」


 「茜ちゃんにだって、いろいろな事ができるじゃない。料理とか、お菓子作り、お裁縫とか、、、あれは一種の才能のレベルよ。」


 「静さんって、告白とかされないんですか?」


 「私は恋愛事には疎いのよ。だから、あまり今は興味ないわ。来るべき時はみんなそれぞれだもの!」


 と八ヶ岳さんに年上らしい会話をして、横で聞いてた僕が、本当に同一人物か!?って思ってしまう。そして、途中から皐月さんが来て、


 「静さん、おはようございます。」


 「皐月さん、おはよう。高校は慣れた?、、、」


 と皐月さんとの会話も自然だ。


 皐月さんも八ヶ岳さんも静の前では大人しい感じになる。なんというか、静の柔らかい言い方に静が二人に対して、絶対的なポジションにいると言う感じにさせる。


 そして、学校に着くと、


 「じゃあ、私は行くから」


 と3年生の教室に向かった。


 「静は凄いなー。」


 思わず、僕は口に出してしまった。そして、八ヶ岳さんは、


 「静さんって、弱点ないよねー。あんなに完璧な人ってこの世にいるのかな?って思うくらい。」


 僕はちょっとギクッとした。帰って来て小さい姿を見たら、どうなるんだろう?って思いながら、八ヶ岳さんは


 「啓介君から見て、静さんはどう思う?」


 「まぁ、僕がこれだから、静の方に全部持っていかれたんじゃないかな?」


 と苦し紛れに八ヶ岳さんに言った。


 「ところで雨塚先輩。私が贈った誕生日プレゼントはどうですか?」


 と皐月さんが話を振り、


 「誕生日プレゼントをくれて、本当にありがとう。他所行き用に凄いいいアクセサリーだよ。」


 「なら、良かったです!喜んでくれて!では、私も教室行くので!!」


 と言って、皐月さんも1年生の教室に行った。


 「あの、啓介君。私のプレゼントはどうだった?凄い地味でゴメンね。」


 「お菓子も美味しかったし、ハンカチも凄い助かったよ。ハンカチは高いんじゃない?あの生地に名前入りの刺繍は本当に良かったよ。」


 「実は、、、実はあれはあのハンカチは私が縫ったの!!」


 と言われたが、だとしたら、料理、裁縫共にプロレベルだ!って感じた。ハンカチの生地のセンスも抜群に良かったので、


 「八ヶ岳さんのレベルはプロレベルだよ!とても、高校生が縫ったとは思えない。」


 と御世辞ではなく、本音で言った。そして、八ヶ岳さんは顔を真っ赤にして、


 「ありがとう。わ、私はく、自分のクラスに行くから!」


 と言って、駆け足で教室に向かった。


 「良かった。啓介君が喜んでくれて!」


 と八ヶ岳さんは自分の教室の自分の席で、僕へのプレゼントを僕が喜んでくれて、本当に良かったと一人噛み締めていた。  

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