どこかで誰かが泣いている。
御願崎冷夏
第1話 ふぇぇんふぇぇん
どこか遠くから
なにか悲しげな鳴き声がする。
うちの猫(るるちゃん)が昨日から行方不明だし、
ひょっとしたらどこかで怪我でもして
床下かどこかに隠れて
助けを求めて鳴いているのかも・・・
ざわざわする気持ちを抑えながら
家の周囲を回り、猫を探す。
るるちゃーん、るるちゃーーーん、
るるちゃーーーーーーん・・・・
心配のあまり、
半泣きになって四方を探す。
でもさきほどのふぇぇんふぇぇぇんな
悲しげな鳴き声はなぜか聞こえなくなってて。
がっくりしてとぼとぼ帰宅すると
「にゃーーん」
家の中から、呑気な鳴き声ひとつ。
・・・。
るるちゃんは私の部屋の押し入れの前で
大あくびをしたあと、
うにゃぁぁぁんとかなんとか
ごにょごにょ言いながら、
気持ちよさげに、背伸び。
おったんかい!!!!
あー・・・とりあえず良かった。。。
そういえば最近るるちゃんは
押し入れの襖を自分で開けて
(重たいガラス戸も自力で開けてしまうので
もう完全室内飼いはあきらめた)
積みあがった布団の上を
寝床にしていることも、まあまああるのだった。
一応、一安心。
が。
またしても聞こえてくるではないか、
あの悲しげな
ふぇぇんふぇぇぇんふぇぇぇぇぇぇん・・・
はっっっっ、
もしや。
朝帰りした次男の部屋のドアを開けると
そのふぇぇぇんふぇぇぇぇぇぇんふぇぇぇぇぇぇぇんが
急に大きくなった。
次男、爆睡のあまり半分白目むいてましてね。
鼻か口からかよーーわからんけど
その悲しげな音の発生源は
こいつに違いなく。
くーーーっっっ、、、
おまえねーーー、、、、
紛らわしいイビキ掻くんじゃない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(泣
完全実話です。
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