第5話 再挑戦と僕が負ける仲間について。

東京に復学した僕に待ち受けていた試練は、友達がいないことでした。アパートの二階に住み込み、親からの送金で暮らす毎日です。ノートに詩をつずります。実は、詩は、精神病院の中でも、書いていました。唯一、書くことは、小学二年の時から貫いています。東京の街中をとぼとぼ歩いて大学に向かうも、もう、英文学には、付いていけない自分でした。親に申し訳なく思った僕は、大学を中退して、街角のパン屋さんに勤めることにします。しかし、ここで大失敗をしてしまいます。パン作りが好きではないのにパン作りをしたからです。フランスパンを5万円分焦がしてしまった。ミスの連続。店長が怒りだすのも無理はない。

「ちょと来いよ。ここに座れよ。」

と店長は言います。怒りに震える店長です。

「お前みたいなやつは初めてだ!なんだよ!パン作りが好きなのかい。パン作りを舐めているとしか思えない。てめなんかに給料10万円支払うのが惜しい。俺なんか最初は厳しくてどやされて、泣きながらパン作りをしてきたんだ。それでも俺はパンが好きだったからできたんだ。やるのかやらないのかどっちだ!」

と言う。僕は、小さくなって、声弱く、

「実は、僕は精神疾患を患わっていて、僕にはとても無理です。付いていけません。辞めさせていただきます。すみませんでした。」

と言って店を出ます。実に情けないか弱い僕でした。根性がありません。


どうも、仕事仲間とか、遊び仲間とか仲間といると僕が負けてしまうのです。仲間が好きになれません。まだ一人の方がいい。人は言います。「人は一人では生きられない。」と言って、要するに僕に勝ちたいだけのセリフです。噓です。人間と人間が出会うときどちらかが負ける必要があります。それが、格闘技です。人間は、生きるために、他者と格闘します。どちらかが死ぬまでそれはつづきます。生きる格闘の意味です。または、人は他人にお金を支払います。また、人間は、自然とそこに居るだけで、もうお金を支払っています。居場所料です。どこかでお金を失っています。そこで稼ぐ自信がないならば、居場所を変える必要があります。そうでないとお金を失うばかりです。パソコンも稼ぐ自信がないならばやるべきではない。ただの遊びになります。スマホも同じです。しかし生きるためには遊が必要です。自動車のハンドルも遊びがなかったら危険です。


僕は、人間で稼ぐことが下手です。また、道具を使って稼ぐことも苦手です。いつも自分のことで忙しいです。自分の人生は楽しくありません。何も面白くない人生です。人に勝てない人生は、本当に損ばかりです。人に何もしてやれない人生もむなしい。無常の人生が、ここに、あります。ただ生きる人生はむなしい。せめて、人に何かしてやるか、夢や、目的をもって生きるべきです。

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