第3話 JR H駅の怪異黒コート
N市にあるJR H駅、その駅構内にて時折見られる怪異が存在する。
地元住民や存在を知る者からは黒コートと呼ばれている。
雨の日に目撃されており、傘などは差さず黄色線の内側で待機する姿が見られる。
結構真面目な怪異なのかも知れない。
そして目撃例が多過ぎるからなのだろうか、黒コートに対して恐怖する者が殆ど居ないのである。
しかし、これほどまでに目撃されている怪異であるにも関わらずつい最近まで誰もこの怪異の顔を見た者が居なかった。
だが、つい先日彼ないし彼女の顔を見た者が現れた。
確認したのは市内在住のHさんという女性である。
Hさんは仕事の帰りに最寄り駅である△△駅を利用しており、その日も19時頃到着の車両で帰宅した。
降車した際に黒コートを発見した。
雨が降っていた事もありHさんは「あ、確かに今日雨降っとるからおるよな。」と、慣れていたのもありかなり素っ気ない反応であった。
だが、この日は雨があり得ないほど強かったのでいくら怪異でも流石に心配になりHさんは話しかけた。
「大丈夫ですか?」と話しかけつつ顔を覗いた。
真っ黒だった。
と言うよりは無かったと言ったほうが正しい。
黒いコートを透明の人型に掛けているかのように何も無かったのだ。
Hさんは堪らず駅を早足で出て帰宅した。
追記 黒コートは現在でもH駅で確認されている怪異である。
もし興味がある方が居ましたら雨の日にH駅に行くのはどうでしょうか?
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