第2話 N書店N市店の青い本を読む人
N市の小中学生の間ではポピュラーな噂話が存在する。
それは、N書店の角にある小説コーナーで青い本を読んでいるお兄さんに話しかけてはいけないという話である。
ただの不審者情報だと誰もが話を聞いただけでは思うだろう、しかし特異な点が存在する。
それはこの人物の目撃談が書店の開店当時からあるのだ。
何より目撃例で出てくる人物は何故か年齢が殆ど変わっておらず、20から25歳の青年だと言う。
更に付随する要素として具体的に話しかけるとどうなるのか等のはっきりとした顛末が語られていないのがよくある怪談や都市伝説とは異なる点である。
単に話しかけた者がいないから分からないという事なのかも知れないが、そうなると何故この噂が生まれたのかも分からなくなってくる。
まず、いつ現れるのかという点だが、はっきりとこのタイミングで現れるといったトリガーが分からない。
目撃談は全て「いつの間にかそこに居た。」といった話しか無いのである。
ある男子小学生は本屋に入った時に既に居たと言っており、又ある女子中学生は続き物の小説作品を約20分程探していると気付けばそこに居た。
等やはり曖昧なのである。
最後に補足情報にはなるが、作者である私も学生時代にこのN書店に寄った際に似たような人物を目撃した気がするという事を伝えておく。
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