第2話 プロポーズ
士郎は若手のエースにして、顔面偏差値も高く、高身長で、患者さんからの評価も問題ないどころか、患者さんが問題を起こすんじゃないかって心配になるくらい特にご婦人からは大絶賛よ。難しい手術も難なくこなし、「私、失敗しないので」って言わせたくなるほど優秀なの。
そんな引く手あまただろう士郎が何で
話が逸れちゃったけど士郎との馴れ初めの話、だったわよね。
そんな大した話でもないんだけどね。
祖父の病院で何かのシンポジウムを開催した時に、
それまで一度も直接話したこともなかったんで、どうしてこんなに見てくるんだろうってかなり戸惑ったわ。
だからずっと素知らぬふりして受付業務してたんだけど、意を決したのか突然士郎がこんなことを言い出したの。
「「はらまき」から「だてまき」になってくださいっ。」
は?
何言っちゃってくれてるのかしら、この人。
腹巻きが伊達巻きになるわけないじゃない。
ひと昔前の集団お見合い番組じゃあるまいし、そこまで腰を折ってまで言うことじゃないわよね。
頭大丈夫かしら。脳外科医なんだから自分の頭の面倒ぐらい、ちゃんとなんとかしなさいよ。
「原さん、伊達先生に返事してあげた方がいいんじゃない?」
「真紀ちゃんっ!いつの間にそんなことになってたのっ!?」
は?
何の話よ。
えー?どういうことよ。
「真紀ちゃん、どうもこうもないよっ。原真紀から伊達真紀になってってことはあれしかないじゃない。」
「そうよ、原さん。あの伊達先生が公衆の面前でプロポーズするなんて信じられないけど、それ以外に受け取りようがないわよ。」
はぁ?
プロポーズって何だっけ?
え?もしかして結婚の申し込みをされてるの?
そりゃあ
でも実際、いきなり交際の申し込みじゃなく求婚されてみなさいよ。
こっちは相手のこと知ってはいるけど、ただそれだけよ。
向こうが
ドン引きだわ。
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