【封印されし神】
ルシファーが復讐の舞台に地球を選んだのには、もう一つの目的があった。
地球には、“ある邪神”が封印されている。
それは「血を司る神」とされていて、姿形を持たず、血そのものの塊として存在する。
肉体という器を持たないため、逆にあらゆる物質へと姿を変えることができる。
また、どんな生物であっても、その血に触れた瞬間、その能力を完全にコピーする。
だが、本当に恐ろしいのはここからだ。
その血が傷口から入り込めば、その肉体を乗っ取り、意識すら支配することができる。
わずか数滴でも触れられた時点で、対象はただの操り人形になる。
生かすも殺すも自在。
血の神はその特性から“不滅”とされ、その厄介な力ゆえに神々から恐れられていた。
そして、やがて神々は力を束ね、ついに血の神を地球の深層へ封じた。
「この力こそが、人間の信仰を神から引きはがす“鍵”になる」
ルシファーの声には、わずかな愉悦が滲んでいた。
「……あとは、この力に見合う“器”を見つけるだけだ」
そう呟き、彼は静かに人の姿へと変じ、地上へと降り立った。
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